「お兄ちゃん、さやかの部屋に行こう、プレゼント渡すから」村松家に着くと、さやかちゃんの部屋に通された
「ねぇ、お兄ちゃん目をつぶって」俺は目をつぶった。フルーティな香りがした。そして口唇に何かが触れた。柔らかいものが同時に上と下の口唇に、そして微かな息がかかった。
「はい、目を開けて」俺の手に小さな紙切れが渡された。開いてみると、キス無料券とあった。
「恥ずかしいからママには見せないでね、一回だけ有効です」少女は先に部屋を出た。
「ノンくん、ごはん出来たよ」一階に降りると由実さんが呼びにきた
「ノンくん、口唇にピンクのリップ着いてるよ、さやか~お兄ちゃんにいたずらしたな~」由実さんが声を荒げた。
「へへ、お兄ちゃんにプレゼント渡すから目をつぶってって言って、そのすきにリップ着けちゃった」軽く舌を出して微笑む天使は、小悪魔に変貌しつつあった。目をつぶっている間にリップを着けたとすれば、間接キスだ。だがあの感覚は…
小悪魔はウインクして、俺の素人童貞を卒業させてくれた母親と食事の準備に取りかかった。
後ろ髪引かれる思いで俺は村松家を後にした。家に着く直前、由実さんから電話があった。
「ノンくん、今日はありがと。さやか喜んでた。」
「そんな、俺も楽しかったです」
「ノンくん、言っとくけど、あなたを誰にも独占させないよ、麻衣、さやか、美雪、たくさんライバルはいるけど、あなたを最初に愛したのはあたしなんだから」
「はい、由実さん、俺もあなたが恋しいです。また二人で一晩中抱き合えるのが待ち遠しい」
「ノンくん、愛してる」
「俺も愛してます」電話が切れた。俺は麻衣さんのマンションに向かった。
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