ウェーダーを膝下までずり下げられ、格子柄のシャツのボタンは全て外されている 中に着ている白いTシャツは胸元まで捲り上げられていて、Tシャツにも劣らぬ程に生白い豊かな乳房が露になって揺れていた
衣服が邪魔になって、身動きがとり辛いのか、それとも快楽に抗えぬのか、女は自分と目を合わせたまま、三度目の絶頂を迎えようとしていた
「ヒデ…ヒデさん…ダメだから、ああっ」
「?」
むっちりとした張りの有る生尻を捕らえ、夢中で女を責めていた男が顔を上げた
「あ」
「あ」
「ああっ」
岩場に手を付き、尻を突き上げて絶頂している女 眼前から見下ろしている自分 女を間に挟んで夢中で玩具を尻に突き立てている男
三者三様の短い声を発していたが、沢の水音がそれを掻き消していた
「!」
その三竦みを破ったのは自分だった 水辺の縁に無造作に置いて有った、男の所有物と思われる真っ赤なテンカラ竿がグングンと水中に引き寄せられている
「竿、竿が」
自分は男に向け、目線と顎でテンカラ竿を指した
「うわ、ヤバイ」
尻に突き刺した玩具から手を離し、水辺に駆け寄るが、あと一歩が届かずに竿は流れの中に消えていった
次の瞬間、自分は岩場から飛び降り、水流の中にザバザバと入り込んでいた 真っ赤な竿が堰を流れ落ち、クルクルと回転しながら目の前を通過しようとしていた
後、半歩 水中を歩いていては間に合わない
夢中で水面にダイブしていた かろうじて竿に手が届いた
「よっしゃ」
全身ずぶ濡れになりながら、竿を持ち上げる やはり竿を水中に引き摺り込んだのは魚だった
「まだ掛かってる」
腰元までの水深だが水流はなかなか強く、時折流されそうになりながらも魚と勝負を続ける
何故か竿元には握りが付いていなかった 竿の根本を持ち、もう片手で竿の中程を支えながら慎重にやりとりをする
もう少しだ
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