秀之が出て行った後、自分はテーブル席の脇、六畳程の小上がりに寝転んでいた 枕代わりに、薄くペラペラな座布団を折り畳むと 客席でテーブルを拭く裕美子の尻が揺れていた
「裕美子さん…」
「なあに?今、お茶淹れるわね」
「あの、今朝は一体、何処へ…」
テーブルを拭く手が、ピタリと止まった
「仕方ないの…私、異常だから…」
やはり、昨日出会った あの沢へ出向いていた 裕美子は布巾をギュッと握り締め、話を続けた
「やっぱり、こんな私達を軽蔑するわよね…でもね、あれが私達の形なの、タカちゃん、分かって?」
「軽蔑なんてしません…そりゃびっくりはしましたけど、今は寧ろ、二人が羨ましいくらいです」
裕美子の頑なな表情が、少し和らいだ 布巾をテーブルに置き、小上がりに膝を付いた
「変なことに巻き込んでしまって、本当にごめんなさい…」
「良いんです、自分なんかが二人の役に立てるなら、何でもしますよ?」
魅力的な裕美子のみならず、粗忽で有るが憎めない秀之にも、兄貴分的なものを感じていた
「有り難う…主人は愛しているけど、タカちゃんのことも、好きよ?」
思わず 裕美子を抱き寄せていた 今、自分が裕美子の為 二人の為に出来ることは…
「丁度ね、今日明日が、一番 出来やすい時期なの…」
裕美子が耳元で、そっと囁いた
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