「もう帰っちゃうの?」
「明日も早いからね…師匠達に宜しく言っておいてくれるかい?」
絵美子が夕食にリクエストした、オムライスを食べ終えると同時に、帰宅を告げた
(流石に今日は、二人に会わせる顔が無い…)
「パパとママが帰って来るまで待ってれば良いのに…アタシ独りじゃ寂しい…」
行為の後 一緒に風呂に入り、パジャマ姿に着替えていた絵美子が、ぷう、と頬を膨らませる 今になって、絵美子を抱いてしまった事に罪悪感を感じていた
「すぐ帰って来るさ…それに、自分もまたすぐ顔を出しに来るから」
「本当?…来週?再来週?」
それには答えず、ただ絵美子に微笑むのが、今の精一杯だった
「ただいま あら?タカちゃんは?」
秀之と裕美子が帰宅した頃、車通りの減った国道をゆっくりと走っていた ラジオからは、トムウェイツのアイスクリームマンが流れていた
「仕事が有るからって帰っちゃった、ねえねえ、パパとママ お腹減ってない?」
秀之と裕美子が、奥の間をチラと覗きながら、早朝出ていったまま 乱れの無い布団を見て複雑な表情をしていた 絵美子に話しかけられ、慌てて襖を閉める
「そういやちょっと、小腹が減ったな」
「今日、タカと二人でオムライス作ったの パパとママの分、作ってあげようか?」
無邪気な絵美子に、二人は安堵の表情を浮かべていた
「あら、絵美子、ちゃんと作れるの?」
「バカにしないでよ…今日はタカにね、色々教えて貰ったんだ…色々っ」
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