「竿だってルアーだって、試作品はテストするだろう?」
額に玉ねぎを付けたまま、秀之は話を続けた
「自分が帰ってから二人でテストして下さいよ…」
「いやいや、原型が居る間なら、何度でも型取り出来るし、タカ、お前さんじゃないと分からない所も有るだろ?」
自分以外に分からない事…それは裕美子の反応以外に無かった 裕美子の感じ方、瞳の蕩け具合、腰の捩れ…
「後で釣り堀に行くフリして、静かに戻って来てくれ…奥の間の襖、少し開けておく」
「なあに?何の話?あら、貴方、顔がビチョビチョ 」
台所から戻って来た裕美子が、踵を返して布巾を取りに、また台所へ戻って行った
「…ん……ぁん…ああっ良いっ」
釣り堀に行くフリをして時間を潰し、車を少し離れた場所に着け、静かに古民家へ近付く
玄関の鍵は開いている 茶の間へ入ると、奥の間から裕美子の声が聞こえてきた
「あっあっあっっ…スゴい、コレ凄いいいぃっ」
布団に仰向けになり、襖側、此方に足を向けている 秀之が裕美子の股に割り入り、背中を見せている
「イク、またイク、イクっ」
裕美子が布団から転げ、畳を掻き毟りながらガクガクと痙攣した
「そこ、そこ良い、あっ…」
四つん這いになり、白桃の様な巨尻を捩らせながら果てた
「んっ、んっ、んはあっっ」
張り型を畳に立て、自ら腰を落とし、中心部に飲み込ませながら絶頂した
三ヶ月前、偶々二人の行為を目の当たりにして以来の、二人だけの秘め事を覗いていた イキ狂う裕美子をいとおしそうに見つめる秀之、秀之の責めに恍惚の表情で応える、裕美子…
(凄い…自分との時、それ以上の反応じゃないか)
秀之と裕美子の行為は、裕美子が失神するまで続けられた
失神した裕美子を布団に寝かせた秀之が、半身を翻し此方に目配せする 静かに奥の間から戻り、襖を閉めた
「どうだ?」
「あんなに感じてる裕美子さん、見たこと無いですよ…」
「そうか、じゃ成功だな、おい」
秀之が得意気に、ニヤリと笑った
裕美子の身体を知り尽くしている秀之が、憑き物と言っても過言ではない「癖」を解消させた陰茎を駆使したのだ、敵う訳が無い
「腹減ったな、食堂でうどん食うか?」
「味噌煮込みが食べたいです、師匠」
「なんだ師匠ってのはよ?何の師匠だよ、気持ち悪いな」
「色々ですよ…」
裕美子を起こさぬ様、二人共に、そっと勝手口から表に出た
「あ、師匠、雪…」
「初雪だな…」
チラチラと舞う、花弁のような雪が 風に巻かれてクルクルと渦巻く
「冬だ、な」
秀之が呟いた
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