夏の満員電車。強すぎる冷房も朝のラッシュ時には力を発揮してくれない。
今日もリサの長い黒髪が、俺の顎下にある。
スカートの裾を手の甲でたくし上げると、下着に触れた。
下着越しのリサの体温を感じながら、手の甲でなでる。
こんなことを続けて、かれこれ一週間になる。
俺は毎日リサの背中を追った。
手の甲から感じる感触だけで充分だったし、
それ以上のことをする勇気もなかった。
リサのあの表情を見るまでは。
リサは声を上げない。気づいていないわけでもないだろう。
下車まであと10分ほどになったとき、リサがわずかに顎を上げた。
長い黒髪が後ろに流れて、輪郭があらわになる。
ほんの少し振り向き、俺の顔を見た。
わずかに開いた唇からは小さな白い歯が覗いている。
潤んだ目で俺を捕らえると、小さな吐息を漏らした。
勝手な解釈だと思う気持ちもないわけではなかった。
しかし、それ以上にリサが欲しているとの確信が上回った。
手の甲をリサの足と足の間に滑り込ませた。
温かくて湿った下着の上を中指の関節でさする。
リサの体液が下着から染み出しているのが分かる。
手のひらを返して、指の腹で、下着の縁をなぞった。
リサはあげていた顎を戻して、ぐっと俯いている。
下着越しではなく、もっと奥へ。
そう思ったとき、下車する駅に着いた。
リサを追い越して、電車を降りる。
振り向きたいと思ったが、できなかった。
※元投稿はこちら >>