「寒くない?」
確かに寒い。
下半身を剥き出しにしている上、いつの間にかセーラー服の上衣を脱がされた少女。
Vネックの長袖肌着しか身に着けていない躯には、三月の空気が肌寒く感じられる。
「ほら。ここにこうやって・・」
胡座をかくようにして備品のマットに座った少年は、向い合わせになった少女を自分の下腹部を跨ぐように座らせる。
少年の下腹部と少女の下腹部が、接触寸前まで近づいていた。
そっと少年は少女の背中に両腕を回すと優しく抱き締める。
「こんな感じで抱き締められたの?」
ソファの上で胡座をかいたサクラが、手近にあったクッションを抱き締めながらナナに問い掛ける。
「そう、そんな感じです。」
「『対面座位』とか『抱き地蔵』って言うんだって。」
「・・タイメン・・、ダキジ・・。」
見る見るうちにナナの頬が朱く染まる。
「・・サクラさんの・・エッチ・・。」
えー何でよー。
エッチなこと、してたのは・・
・・まぁ、いいか。
で?
続きを促がすサクラ。
躊躇いながら続けるナナ。
「その・・ギンギン・・で・・。」
「は?」
「ちゃんと見たの・・初めて・・で・・。」
あ、ああ。驚く・・よな・・。
あれは・・驚く・・。
ナナとて何度か目にする機会はあったし、触ったこともある。
触るどころか、愛撫を加えて少年の牡を昂らせた経験もある。
だが、気恥ずかしくもあり、まじまじと凝視したのは初めてだったのだ。
「・・サクラさんは・・その・・」
初めての時って・・
・・どうでした?
曖昧かつ漠然とした質問に戸惑いを隠せないサクラ。
『初めて男性器を見た時』なのか『初めての性行為全般』なのかが判然としない。
ちなみに前者については、『怖気づいた』の一言に尽きる。
高校生のサクラは、当時、交際していた男子生徒に躯を許すまでの関係には至らなかった。
互いに制服の下、時には下着の中まで指を這わせ、互いを昂らせるレベルまでの関係。
その過程を経るにあたり、ある日、初めて目の当たりにした男性器。
「『絶対、無理!』って思った。」
そうでしょう、そうでしょう。
そんな表情を浮かべたナナは無言のまま、繰り返し頷く。
・・あ、正解でしたか。
良かったです・・。
いずれにせよ、サクラと同様、怖気づいた少女は後悔しきり。
サクラの場合は、さほど逼迫した状況ではなかったが、少年と少女は既に剥き出しになった互いの下腹部を触れ合わせているのだ。
・・入るわけ・・ない。
・・壊れちゃう。
抱き締められたまま、中止を申し入れようとした瞬間、少年は少女の尻に手を回す。
少女の尻に回した手で少年は互いに互いの股間を押し付けるようにした。
「・・熱くて固いんだけど・・弾力もあって・・それが・・」
結果として屹立した少年自身が、半ば開かれた少女の秘裂にピタリと沿った状態で押し当てられる。
くたり
少女自身、何が起こったのか分からない。
身体に力が入らず、少年の上半身にしがみつくようにして身体を支えることしか出来ない。
ただ、蕩ろけてしまいそうな感覚が下腹部を満たしている。
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