「ヤバいです・・。」
「ん?何が?」
「汗、ハンパないです・・。」
『孔雀の間』とやらの片隅に陣取った二人は壁際にナナ、その隣にサクラの順に横たわって岩盤浴を開始する。
確かに。
僅か十分程で全身から大量の汗を流す二人。
ナナに至っては、バスタオルを身体の上に被せているのだから、汗の量たるやサクラの比ではないであろう。
「老廃物、出まくりな感じ。」
「そうだね。」
高校生のナナはともかく、四十代のサクラが夏以外にここまでの発汗に至るケースは有り得ない。
定期的、と言っても年に数回だが、岩盤浴をするようにしてから数年経つサクラ。
何となく調子が良いような気もするが、確たる証拠があるわけではない。
初めて岩盤浴を経験した時には、ナナと同様、異常なまでの発汗量に焦りすら感じたものだ。
老廃物なんて無いんだろうな・・。
いや、新陳代謝が活発だから多いのかな?
「・・眠くなっちゃう・・。」
「あたしも・・。」
暫し微睡む二人。
とはいえ、五分ないしは十分も経てば、暑さのあまり目が醒める。
クールダウンの必要性を感じたサクラは、寝惚けマナコの少女を伴い『孔雀の間』を後にすると、冷房の効いたコーナーに移動した。
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