「嘘でも嬉しかったです・・。」
「・・嘘じゃないよ。」
・・『追い風参考』ってヤツよ。
『嘘も方便』って言うし、ね・・。
余程、嬉しかったのだろう。
嗚咽が止んでからも、上気したナナの表情は緩みっ放しだ。
「よく食べて、寝て・・そうすれば、どんどん女の子らしい躯になるよ。」
「刺激も重要・・ですよね。」
ポツリと呟くナナ。
「刺激?」
「カレシ、とか自分で、とか。」
・・そこは、ほら・・
適宜、自分の判断でお願いします・・。
「あっちに電気風呂があるよ。」
「行きましょう。」
機敏な動きで立ち上がり、湯船から出た少女は、一糸纏わぬ姿を大胆に晒して歩き始めた。
まさに桜色に全身を染めた少女は、健康的な美しさに満ちている。
「えっと、効能は・・腰痛、神経痛?」
「入れば分かるよ。」
湯船の一角、椅子状になった部分に並んで座るサクラとナナ。
二人の腰の筋肉を内側から電流が刺激する。
「ををををををををををを?」
生まれて初めて電気風呂を体験したというナナのリアクションが面白い。
「こ、これは・・す、凄い・・。」
「ね、これ考えた人は凄いよね?」
効能の程は定かではないが、微弱とはいえ身体に電流を流して刺激を与えるという発想と、それを健康促進の器具として実用化したこと自体が凄い。
堪能したのであろうか、椅子状の部分から僅かに距離を置き、効能が記載されたプレートを凝視するナナ。
と、再び電流の流れているであろう椅子状の部分に近付いたナナは、上半身を反らせたまま、腰を屈めるような姿勢で胸を突き出すようにする。
「わひゃひゃひゃひゃひゃひゃ・・」
驚いたのはサクラだ。
結構な大きさの叫び声を上げているナナは、明らかに周囲の耳目を集めている。
「これ、ナナちゃん、ナナ、これ!」
サクラに窘められたナナは、我に返って電流から距離を置き、肩で息をする。
「こ、これ・・ヤバい・・。」
少女は考えたのだと言う。
この電流による刺激は、日常的に得られる種類の刺激ではない。
ならば、この刺激を己れの未成熟な乳房に与えたら、一体どうなるのか。
或いは、その刺激が、劇的な効果を発揮するのではないか。
ア然とするサクラ。
・・この子は・・アホか・・。
アホは、、いや、ナナは真剣だった。
サクラとて気持ちは分からないではないが、問題はナナの表情だ。
『ヤバい』
口にした単語と、上気した顔に浮かべている蕩けてしまいそうな表情。
潤んだ瞳。
・・あんた・・感じてるよね?
総合すれば、全裸の少女は、公衆の面前で器具を用いた自慰に耽っていると言えなくも無い。
さすがに止めさせなければならない。
だが、サクラの思惑とは逆に少女は再び、電流に近寄っていく。
慌ててサクラは少女を後ろから抱き止めると、耳元で囁く。
ナナちゃん、あんた・・
・・今、何してるか分かってる?
「え?」
オナニーだから、これ・・
・・今、ここじゃダメ・・。
我に返ったナナは身を硬くして、その場で湯船の中にしゃがみ込む。
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