公共の場である。
サクラにしろ、ナナにしろ全裸で湯に浸かっている。
空いているとはいえ、周囲に人影がある。
そんな状況で親娘と言っても過言ではない少女を『ギュッと』、、つまりは抱き締める。
ごめんね・・・。
そう言って話題を変えるのが、真っ当な大人の対応であるのは間違いない。
だが、少女の眼は真剣だった。
そもそも、少女自身が無理を承知で願っているのだ。
『ダメで元々』、、所謂、ダメモトなのだということは承知しているように見受けられる。
少女とて、非常識な願いを口にしているという自覚はある。
そして、その非常識な願いを口にするだけでも、相当な勇気を要した筈だ。
だとしたら・・
・・あたしには応える義務が、少なくとも応えようと努力する義務がある・・。
根拠なぞ無い。
子供が、、ナナが何の駆け引きも無く、真剣に願いを大人に、、サクラに伝えているのだ。
ならば、大人、、サクラはその為に全力を尽くすべきなのではないか。
「・・いいよ・・。」
湯に浸かったまま、膝立ちの姿勢を取ると、サクラの上半身、ヘソの少し下からは湯に浸からない。
やや緊張した面持ちで同じ姿勢をとったナナは、膝頭で膝行るようにしてサクラの正面で向かい合う。
「・・ドキドキしてる・・。」
「・・あたしもです。・・。」
エロい気分になっちゃったら・・
・・どうしよう・・。
不安を振り払い、えいや、とばかりに最後の距離を詰めると、サクラは少女の華奢な躯に腕を回す。
僅かに遅れてナナの腕が、おずおずとサクラの躯に回される。
二人の乳房、、固い乳房と柔らかな乳房、、が圧力に負けて相応に形を変える。
腕に力を込めたら壊れてしまいそうだ。
対照的にナナは、回した腕にしっかりと力を込める。
確かに固い。
少なくとも柔らかいとは言い難い。
二年以上前であれば、尚更であっただろう。
言葉の足らない男子中学生の第一声としては、やむを得ない。
だが、この熱はどうだ。
小さな躯の奥に眠るダイナミックな生命力そのものだ。
そして、その生命力が時として、、昨夜のように、、性の悦びを全身に漲らせる。
いつの間にかナナは、サクラの肩に顔を埋めていた。
「サイサイ、固くない。」
「・・え?」
思わず顔を上げ、サクラの顔を見上げるナナ。
サクラはナナの顔を覗き込んで続ける。
「サイサイ、柔らかい。」
「・・・・。」
「サイサイ、温かい。」
・・サ゛ク゛ラ゛さ゛ん゛・・。
再び、肩に顔を押し付けた少女は嗚咽を漏らし始める。
サクラの肩を風呂の湯より熱い雫が流れていた。
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