疲れた。
眠い。
汗と体液で汚れた身体が不快だ。
早く入浴を済ませて寝てしまおう。
既に深夜なのは分かるが、具体的には何時なのだろう。
サクラは時刻を見ようとポーチの中のスマホを探る、、が、スマホが無い。
「え?」
記憶を辿るサクラ。
そういえば先刻、鍵をポーチから取り出す時、ファスナーを開けた覚えが無い。
どこかで落としたのだろうか。
念の為、ドアを開けて玄関の外を確かめるが、それらしきものは見当たらない。
至急、携帯電話のキャリアに連絡を取って回線を停めなければならない。
だが、スマホが無ければ連絡先が分からない。
パソコンは夫が出張に持って行ってしまった。
疲労困憊、万策尽きたサクラは、全てを先送りすることに決めた。
とにかく・・お風呂・・
・・シャワーでいい・・か。
熱い湯を全身に浴びると、ようやく生き返ったような心地がした。
ショーツ、Tシャツ、寝巻き代わりのスウェットを身に付けたサクラはベッドに倒れ込む。
枕元にある目覚まし時計を見れば、時刻は既に深夜一時。
明日は、いや、今日は土曜日。
墜落するようにサクラは眠りのもたらす闇に引き摺り込まれていった。
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