いつの間にかスカートの下に潜り込んだサクラの指は、秘裂を這いながら蠢めいていた。
やや背と膝を屈め、肩幅ほどに足と足の間を広げて立つサクラ。
それでも最後の矜持であるかのように、左手で唇を覆い声を漏らすまいとするが、咽喉の奥で生じる呻き声は如何ともし難かった。
他人の性行為を見るのは初めてであった。
しかも、覗き見だ。
更に言えば、眼の前で睦み合っているのはサクラの半分以下の年齢に過ぎない高校生なのだ。
眼の前の少女は既に女と化し、更には女から牝に変わろうとしていた。
最初は股間から遠ざける為、手で押し退けようとしていた少年の頭部を、今は股間に押し付けている。
秘部への接近を避ける為、全力で閉じようとしていた左右の脚は、全開にされている。
ベンチの上、華奢で肉の薄い躯を弓なりに反らせた牝は、幼いながら絶頂に向かう悦びに満たされていた。
かはっ・・くふっ・・んぐ・・・
月明かりの下、歓喜の表情を浮かべた少女は、首を振りたくる。
それは今、まさに少女が、そしてサクラが奇しくも同時に果てようとする寸前のことだった。
二匹の牝の眼が合った。
次の瞬間、牝と牝は同時に果てていた。
弓なりに躯を反らせ、盛大に喘ぐ少女。
対照的に背を丸め唇を手で塞ぎ、くぐもった唸り声を漏らすサクラ。
逃げなければならない。
絶頂の余韻に全身を苛まれながら、サクラは踵を返す。
奇妙な姿勢のまま、急な動きをしたサクラはバランスを崩してしまう。
転ばなかったのは奇跡だった。
だが、しかし。
転ばなかった代わりに失禁していた。
実際には失禁ではなく、性器から潮を噴いていたのだが、そこまで考える余裕は無い。
そもそもサクラには、それ以前に潮を噴いた経験が無いのだ。
惨めだった。
屈辱的だった。
盗み聞き、覗き見、屋外での自慰、その果ての絶頂、最後には失禁だ。
唇を噛み締めながらサクラは家路を急ぐ。
一刻も早く家に帰りたかった。
だが、それでも今の姿を人前に晒すことは出来ない、その想い故に人影を見掛けるたびに、人影を避けて道を曲がる。
通常の倍以上の時間をかけて家に辿り着いたサクラは、玄関の鍵を締めた瞬間、壁に背を預けて座り込んでいた。
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