それは奇跡だった。
有り得ない筈のことが起きたのだ。
・・・死んでもいい・・。
儀式をクリア出来なくて、結局、囲ワレ者になっても構わない。
だって一生分の幸せを味わったんだもの。
・・死にたい・・。
これ以上の喜びは有り得ない。
だったら、この喜びを噛み締めたまま死にたかった。
「・・本気・・か・・?」
神主の問いに掠れた声で、しかしハッキリとヤヨイが応えた。
「ワァ・・は、サツキ・・を嫁にす・・る。」
おぉおおぉぉぉ・・・
男衆がドヨめく。
ドヨめきの声を鎮め、神主はあたしに問う。
申し出を受けるか、と。
うんうんうんうんうんうんうんうんうん・・・
涙と鼻水でぐしゃぐしゃになったあたしは、泣きじゃくりながら、馬鹿みたいに繰り返し首を上下に振り続ける。
「ならば抱け。抱いてヌシの嫁にするがいい・・。」
立ち上がったヤヨイは、その場で服を脱ぎ始めた。
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