小学五年生のあたしは真剣だった。
もっともヤヨイは全く理解していなかったけれど、小五の男子なんてそんなものだろう。
それでも、あたしは本気だった。
女子からの一方的なプロポーズ。
しかも当の相手は、あたしを女、いや、女子とすら見ていない。
ま、いっか。
深く考えるのはやめた。
取り敢えず関係の修復は出来たわけだし。
昨日と同じ今日が来て、今日と同じ明日が来る。
少なくとも夏休みの終盤までは、そんな日々が続いていた。
夏休みの終わりがけ、宿題を投げ出したあたし達二人は川遊びに出掛ける。
事件はそこで起きた。
・・・ヤヨイ、それ・・・
あたしは息を飲む。
上向きに反り返り、三割増しの大きさになったヤヨイの性器。
ほんの数ヶ月前まで一緒に入浴していたのだ。
十年近くに渡り目にしていたのとは、全く違う状態になっているヤヨイの性器。
次の瞬間、あたしは本能的に全てを理解した。
ヤヨイは欲情しているのだ。
そして欲情させているのは、あたしの裸なのだ。
あたしは思わずヤヨイを抱き締めた。
抱き締めるだけでは足らず、脚も使ってしがみつく。
「サ、サツキ・・離せよ、離せったら。」
離さない。
離すわけがない。
嬉しくて堪らない。
ヤヨイがあたしのことを異性として認識してくれたのだ。
互いの下腹部が密着し、あたしのアソコが固くなったヤヨイ自身を圧迫していた。
下腹部の中心が熱くなる。
あ。
ぁあ。
あぁあ。
ヤヨイが小さく叫ぶと同時に、怒張したヤヨイ自身から勢いよく熱い何かが放たれる。
二度、三度、と徐々に間隔を空けて放たれる白濁した大量の液体。
裸のあたしを組み敷いたまま、裸のヤヨイは射精していた。
あたしだけが女になっていくわけではなかった。
ヤヨイもまた、いつの間にか男になりつつあったのだ。
しゃっちゃん
不意に思い出した『しゃっちゃん』。
幼いヤヨイは『サツキ』と発音出来ず、あたしのことを『しゃっちゃん』と呼んでいた。
『しゃっちゃん』は『さっちゃん』に変わり、『さっちゃん』は『サツキちゃん』になり、『ちゃん』が取れたのは小学生になってからだ。
徐々にだが、あたし達は大人になっていく。
いつか、ひょっとしたら・・・・
本当にヤヨイのお嫁さんになれるかもしれない・・
ヤヨイがお嫁さんにしてくれるかもしれない・・・・
ずっと一緒に居られたらいいな・・・
※元投稿はこちら >>