昔、一度だけ会っていた事に俺達は驚いた。だが2人共その時の記憶は全然なかった。こうして再び出会った事に縁を感じたのは奇跡かもしれないと俺達は思った。やがて実家に着いた。ガラガラっと玄関を開ける。この辺りは田舎で近所付き合いがしっかりしているので、殆どの家が玄関の鍵を掛けない。「ただいまぁ…」と声を掛けると母親が出てきた。「お帰り…あら?」「初めまして…お世話になります」「ちょっと圭太っ!?」「な、何!?」「アンタこんな幼い女の子連れて来て…何考えてんの!!小学生じゃない!!」「違うよ!茉優さんはこんな小さいけど大人だよっ!!」「嘘おっしゃい!」と聞かない母親に、茉優は免許証を出して見せた。その免許証を見て少し考えてから「本当に圭太より年上なのね…」と言いながらも納得出来ない様子だった。「あっ!?お兄ちゃんお帰り…お姉さんもいらっしゃい」とひなたが出てきた。「どうしたの大声だして?」「母さんが疑ってんだよ」「アハハやっぱり…お姉さん見たら誰でも驚くよ」「茉優さん上がって」「お邪魔します」とようやく家に上がった。
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