第一話
雨の夜…始まり
バイト帰り、駅にやっと着いたら雨が本降りになってきた。アパートまではバスなら停留所ふたつ、でもこの時間は便数が少なく歩いた方が早い。それにバイト先で傘を借りて来たのが正解、俺は歩き出した。
駅前通りのアーケードまで来ると女性が立っていた。ずぶ濡れ、最悪の人、ん…良く見ると長谷川さんだった。時折見掛ける派手なドレス姿だから気が付かなかった。どうしようかと迷ったけど結局…
「あのぉ、お隣の方ですよね。」声を掛けた。一瞬警戒した素振りだったけど長谷川さんも気付いたみたいで…「ああ、今晩わ。」といつもの微笑みで答えてくれた。
「傘無いんですか?良ければ、アパートまで一緒してもいいけど。」話すと、助かりますって長谷川さんは俺の傘に入って来た。相合い傘…ラッキーと思いつつ緊張した。本降りの中を走ったのか長谷川さんのドレスは身体に張り付き、ブラジャーのラインが丸見え…我慢しろ我が息子勃起禁止、バレたら嫌われるぞ。と心で言い聞かせたけど、長谷川さんから漂ってくる甘い香水と、お酒っぽい臭いで反応してしまう、やば。
「小雨だから歩いたら急に降り出しで…あ…ごめんなさいお酒臭いですか。」長谷川さん読心術使えるの、見抜かれてる…「だ大丈夫です。俺居酒屋でもバイトしてますから全然そういうのお客さんで吐く女性もいるし。」焦って訳の判んないこと口走ってしまった、再度やば。でも長谷川さんはニッコリ笑って、「良かった…お店でけっこう飲まされちゃったから。ラウンジで勤めてるんです。」そっか長谷川さんラウンジに勤めてるのか、やっぱ水商売系。ん、ラウンジってキャバと一緒かな判らん。
相合い傘で歩き出してから本降りの雨がさらに激しくなってきた。
「あのぉ、肩が濡れるからもう少し近づいてもいいですか?」長谷川さんが上目遣いで見つめてきた。綺麗だ、化粧もばっちりしてかなりの美人、また我が息子が反抗期に入りジーンズの中でヤバい。俺が答えないでいると、諦めたように少し身体を離したので慌て…「ははい、俺傘から半分出ますから。」と言うと、大丈夫。長谷川さんはそう言い傘を持つ俺の腕に手を回し組んできた。
(やばやば!腕に胸が)長谷川さんの胸が腕にもろ当たってる。膨らみの大きさと柔らかさを、濡れたドレス越しに俺の腕の素肌に感じてる。チラッと長谷川さんの方を向くと、ざっくり空いた襟元から胸の谷間が丸見え…この状況どーすれば
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