『おはよう、ななちゃん』
混み合う電車でいつものようにドアの横に立つと、お尻に張り付くものを感じた。
(久々に痴漢さんだ!)風にあおられる柔らかミニに加えて下着は無しの直履きパンストだから敏感に手の平を感じる。
(履いてないのバレちゃう…あ、割れ目に近付いてる)
緊張し尿意を我慢するようにキュッと力を込めた時だった。
『また弄りたいけど仕事なんだ。残念だよ』
痴漢はあの男だった。軽く会釈するとまた耳元に囁いた。
『ノーパン見えてたよ。どこに行くのか教えてくれるかな?』
教えても来ないのに、と思いながら正直に答えていた。
『そう、あそこか。きっと楽しめるよ』
男が降り際にフロントをスッと撫でニヤリと笑った。
(ん?なんだろ…来るのかな?)
ぼんやり考えたが痴漢プレイに軽く濡れたのを思い出し、デパートのトイレで拭って本屋に入った。
しばらく週刊誌を眺めていると客が増えてきた。
(よし、あそこのフ○ンス○院を一冊読むんだ)
若い娘が普通は寄らない官能小説が控え目に並ぶ棚にむかい、官能よりいかにもエロい中身を思わせるタイトルを選び読み始める。
無意識に露出度が高い服を着た子が、街中で男たちの視線を集める快感を覚え、妄想と現実の境で壊れていく…
(わかるなぁ、でも若い男性ばかり…もうちょっとおじさんのねっとりした…あれ?隣り近過ぎ…)
気付くと左には肘がぶつかるほど近くに男性が立っている。
(えっ?いつから、あ、読んでるの見られてる?)
男性側がレジ方向でななの身体は隠れている。
(なな、逃げちゃダメ…今日は、谷間もエッチな本読むのも見て、もらう…んだ…から…どう思われてるだろ…)
緊張で身体が震えるがなんとか本に集中しページをめくる。
その時、男がスマホの画面を見せた。
『ななちゃん、この人と楽しい時間を。○○より』
あとで知ったが、あの男がサイトでななの服装を教えて、第一発見者にゴーサインを出したのだ。
(えっ?どういう、で何されちゃうの?どんな人よ…ひっ!)
戸惑いながら逃げないななの首に、男が息を吹き掛ける。二度三度と間をおき耳や胸にも息が当たる。
『いい匂いだね。怖くないから』
耳に囁く声にゾクゾクして力が抜けそうになり、まるでお漏らしを我慢するように膝を曲げて堪える。
『ななちゃん、大丈夫?座ってお話しようか…』
ななの手を引いた男は上の階の駐車場への階段にむかい、当然のように数段下からついてきた。
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