「○○さん、明日休出してくれるかな?」
金曜の退社時間間際に課長が声をかけてきた。
切り良く業務を済ませ週末の一人遊びを妄想していたななは内心驚きながら、しかしいつもの真面目な顔で振り向いた。
不器用で苦労人と噂され年下の部長に嫌味を言われながらコツコツ仕事する課長が申し訳なさそうに立っていた。
「明日ですか?」
「決算が終わって書庫の片付けがね…みんな都合が悪いらしくて」
と若い部下にさえ恐縮している。
「はい、出勤できます」
好天続きの天気予報に遠出して密かな楽しみを計画していたが、そんな課長にダメとは言えなかった。
「すまんね。できるだけ早く終わらせるから」
と安心した笑顔で礼を言って席に戻っていった。
「ななちゃん、人が良過ぎだよ。課長ひとりでできるんじゃない?」
更衣室で同僚や後輩に言われたが気にしなかった。
(だって課長頑張ってるもん。私くらい味方でいたいし)
新人時代に教育してくれた課長の力になるのは苦ではなかった。
予報通り朝からさわやかな天気だった。早く終わったら遊びに行くつもりでミニデニムを選び脱ぐ手間を省いてストッキングだけで出勤した。
会社の書庫に行くと既に課長が書類を移動させている。
「おはようございます。何からやりますか」
「○○さん、すまないね。じゃあその本年度分の箱詰めと書き出しを」
と指示し汗を拭きながら古い書類を外の倉庫に運んで行った。
指示された仕事はすぐに終わったが、今年は持ち出す量が多いらしく課長は何度も往復していた。ななが運び出す書類を棚から下ろそうと脚立に立っている時、課長が戻った。
「危ないから私がやるよ」
「平気ですよ、この上もですか?」
「え、ああ、三年分残して全部…」
指示されながら箱を渡そうと振り向くと課長は横を向いている。
(ん?あ、ミニだっけ。まさか見られた?まさか課長はそんなわけ…)
「じ、じゃあ下の重いのを置いてくるから」
汗を拭きながら出て行くのを見送り、下に降りて自分のいた位置を見上げてみた。
「ここでスカートがこの辺で…やば、太ももは丸見えだぁ」
課長はどこまで見えたのだろう?屈めば中まで見えたはずだがそんな人じゃない。でも見られてたら…
あれこれ考えているうちななの下腹部が熱くなりムズムズが広がっていくと、昔と違い疲れた姿の課長を癒したいと思い始めた。
(予定変更!課長にちょっとだけ。チラッとだよ)
そう呟き課長を待った。
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