【9】止められない欲求
朝の痴漢、ノーパンで過ごした1日。
とてもではないが、佳代の身体の熱が引かない。しかし、帰宅しても隆と満たされるセックスが出来るわけでもない。
隆から届いたメールには「残業で遅くなる。」とあった。今の隆に抱いて欲しいと伝えるのも、酷だ。
仕事を終えた佳代は、古びたビルへと向かう。マスクをつけて顔を隠す。
前々から目をつけていたビル。この建物の5Fに書店があり、4Fには喫煙室があった。
何度か訪れていたが、地下2Fには掃除の女性が向かうし、時折作業服を着た男もいた。エレベータやビルの管理業務をしているのは、間違いなく作業服の男たちだろう。
ビルの管理なのに、いつも薄黒く汚れている感じの男たち。年代は定年間近と感じるものや、まだ30代始めくらいの数名。
最上階の8Fを押し、その後は1Fに戻る。それだけのこと。でも、2度とこのビルへ来ることはないだろう。
ただ、いつもと違うのは、今日、佳代がこのビルを管理している男たちへ、肌を晒すことだ。
1人エレベーターに乗り込み、最上階の「8」のボタンを押す。
ドアが閉まり、予定フロアが8Fであると文字が映る。このビルのエレベータを選んだ理由だ。
到着予定のフロアが事前にわかるため、他の客に見られるリスクは最小限に抑えられる。
手は震えていたが、心も身体も、次々と込み上げる欲求が、佳代を動かしていた。
カメラに向かい、佳代は急いでブラウスのボタンを外して乳房をあらわにする。そして、スカートを捲り上げた。
パイパンの股を開き、片脚を手すりにかけ、指で更に皮肉を広げる。
8Fと1Fの往復、ほんの僅かな時間だが、佳代の心臓は破裂しそうなほどであり、あの汚れた、見ず知らずの男たちの餌となる感覚は、佳代を絶頂に導いた。
※元投稿はこちら >>