『本当に、具合が悪いんじゃないの?友美…』
席に戻った友美の様子を、部長と話しながら鏡越しに私はチラチラと覗き見る。
チラ…
椅子に座ってから程なくし、体を少し前に倒し肩で息をしている。
チラ…
右手で腹でもサスっているのか背中を少し捩り右肩が動いている。
気になるのは痛みでも有るせいか、たまに腰や背中がピクッと跳ねて居る点。
「パリパリパリ…パリ…パリ」
と、何かの音が。
チラ…
体を前に倒しているせいで、背中にピンと張り付いているブラウスに前に無かった汗沁みが広がっていて捩れた背中、右肩に力が入っているのが分かる。
腰はヒクつき、背中を震わせながら体を更に前へ…
私は振り返り、声を掛けようとした瞬間、背中の張り詰めたブラウスにシワが。
背を伸ばし、息を整える様にしてから友美が立ち上がる。
振り向いた友美と目が合い私は…
「大丈夫?」
と声を掛けると
「ぃ…大丈夫です…
ちょと…お手洗いに…」
友美はそう告げると事務所を出ていく。
「どうかしたのか?」
と部長が私に訪ねるも、私は「さ…」としか答えられずにいた。
つづく。
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