(どうしよう私の事、誰か知ってる)
今日初めて入った3階の共用トイレ。
見慣れた2階の共用トイレと配置は同じ。
何かから逃げる様に奥から2番目のドアを開け鍵を締めては便器に座り、両膝の上に両肘を立て両手で額を支える様にうなだれる。
ピンク色の付箋紙に書かれた文字。
(怖いよ、まーサン…)
今日、2回目に入る3階の共用トイレで頭を抱える友美。
今朝、2階の共用トイレに行く前にココの一番奥の個室で大丈夫と気合いを入れたのが嘘の様に、個室に引き込もって居る。
(私=友美…
と繋がらないにしても、誰かが私の事を知ってる。
あんなに仕事中に下着を汚して、脱いで…
下着を履かないまま、その職場に戻る人が居る事を、誰かが知ってる。
ソレも、同性の誰かに。
あんなに、欲しがってる下着を…
見られた…)
ヴーン…ヴーン…
しばらくそんな事を考えて居ると携帯が上着の左内ポケットで唸る。
携帯を見ると、ま~★からのメール…
〓〓
おはよ、友美^^
昨日、約束した事を覚えてる?
因みに、今日の朝立を送っとくよ(笑)
今日も、頑張ってこ~☆
〓〓
っと、勃起した画像が張り付けられている。
(こんなに…)
画像を見て返信を打ち始める友美
〓〓
おはよう、ございます。
勿論、約束は守ってますよ。
今日は同僚2人で外回りです。
頑張りましょう。
〓〓
と返信。
(今ココで、何かを考えても、何も取り返せない…
そうよ、アレを見た人も私だと断定出来るはずがないんだし。
そう。
大丈夫。
ココに居ても何も始まらない。
大丈夫。)
自分をふるい立たせてはトイレから出て、2階へ。
事務所に戻り冷めたコーヒーを一気に飲み込み、浅野からの伝言に有った東海林の元へ向かって行く。
つづく
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