『怒った顔で入って来たら、皆の前で心配して上げようと思ってたのに流石社会人。
大人だね友美。
てか、あんなにご立腹だったのに、どうしちゃったの?…
廊下で誰かに心配されて来たような顔しちゃて(笑)』
事務所を離れトイレで絶頂をねだり、突き放された事やスカートの中の下着が無い事を知ってる私が、友美を見つめる。
両手を腹のミゾオチ付近で組み、けして手を振ろうとしない。
膝小僧に力が入って居る様などこかぎこちなく少し内またで歩幅が狭い、歩き姿。
自分の席に着き、椅子を引いては何時もより時間を掛けて座る動作。
普段では何も思わない仕草だが、その仕草に至る要因を知っている私には目に付く。
『本当に椅子に座って大丈夫だったの?
スカートを突き破り、椅子に染みなんて付けたら、ムシムシした暑い日は大変そうだね…
毎回、友美のマン汁の匂いが匂い立ちそうで(笑)』
私は友美が座るのを確認してから、仕事をまた再開していく。
程なくして修業時間が過ぎて居る事も有り「お先に失礼しまーす」と帰宅を始める者が出てくる。
17:30を過ぎる頃には私の座って居る列の最後の者が帰り支度を始め「お先です」と事務所を出て行く。
『今日はヤケに皆、帰るの早いな…』
っと思って居ると…
「浅野!
そろそろ出るぞ」
と部長の声が。
「悪いけど、さっきの変更の件頼んだぞ。
友美サンも、余り遅くならない様に早く上がって。」
部長達は私と友美を残し、事務所を出て行く。
後ろで椅子を引く音が。
友美は立ち上がり、バッグに何かしまっている後ろ姿を鏡越にながめ…
『チャンス到来って感じとか?友美(笑)』
だいぶ汗は引けた様だか汗染みが広がるブラウス越しに透けた左の背中に小さな黒子を私は見付ける。
つづく。
※元投稿はこちら >>