それから数年後、満帆がそろそろ初潮を向かえる。何の手立ても無いまま毎日のように夫婦で話し合っていた。そこに満貴が割り込んできた。
「あのさー、変な奴に処女をやるより、おじいちゃんでよかったよ。まだ何も知らなかったから恥ずかしいとか感じなかったし。満帆もやってもらえばいいじゃん!」
あっけらかんと言う満貴に、唖然とした。
あの後、周りの人からお父さんとお母さんは助けたくてもできないように捕まえられていたと聞いたそうだ。それに嫌な思い出にならないように、私たち夫婦はいつも満貴を抱きしめてハグをしていた。できる限りの愛情を注いできたつもりだった。そのことにも、満貴は気付いていて、
「お父さんもお母さんも悪くないから、気にしないでね。私はお父さんとお母さんと、この家で育ってよかったと思ってるから。満帆も大丈夫だよ、絶対に!」
夫婦そろって大泣きしてしまった。
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