真っ白だったシーツには鮮やかな鮮血の痕が残っていた。うなだれていた私たち夫婦に
「これが昔からの風習でね。最近はみんな女の子が初潮を迎える前に引っ越したけど。ここの娘さん以来だから何年ぶりかな?この儀式ができたのは…」
押さえつけていた人が話した。
「悪く思わんでくれよ、昔はみんながやった儀式なんだから。これで、お嬢ちゃんも将来は立派なお婿さんが見つかるからな!」
あまりにおぞましい儀式に、何も考えられずにいた私。
「それで…だったのか」
夫がポツリと呟いた。夫の姉は、中学卒業後に全寮制の高校に進学して、一度も実家に帰らずに結婚した。結婚相手を紹介した時も実家に数時間滞在しただけで逃げるように帰っていった。姉が実家を避けているとは感じていたものの理由も分からず不思議に思っていたらしい。
私の頭に姑の覚悟という言葉と引っ越しの話が浮かんでは消えて浮かんでは消えていた。
知らなかったとはいえ満貴には辛い体験をさせてしまった。満帆は同じ事をさせない!絶対に阻止しなければならない!と決意した。
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