「こんばんは!」
「こんばんは!!」
お客さんが集まり始めた。お酒の準備をして、お酌をして回る。
いつの間にか傍に居たはずの満貴が居なかった。姑のほうに居ると思って確かめもせずにお酒を運んでいた。
宴にあまり参加しない夫も舅の横で楽しそうに呑んでいた。ゴキゲンだった舅が無言で料理を食べながらチビチビと酒を呑んでいる。いつもは豪快に呑んでいるのに…と気になった。
すると、夫と私が宴の真ん中に引っ張り出された。戸惑っている私たち夫婦はコップを持たされ、お酒がなみなみと注がれ、乾杯を促された。訳も解らず乾杯し、その場に座らされた。
後ろから歓声に包まれながら誰かが入って来た。振り返ろうとしたが動けない。全身を男たちに押さえつけられていた。体を捻って夫を見ると同じように押さえつけられている。
歓声とともに横を通り過ぎたのは、浴衣を着た満貴だった。あの浴衣は!ハッとした。子作りの時に必ず着るように言われた真っ白の浴衣…。
「満貴に何をするの?」
私が叫んでも誰も何も言わない。
満貴は、舅の胡座に座り抱っこされている。何か楽しそうに舅と話している。胸騒ぎはしたが、料理を食べてジュースを飲む満貴は無邪気にはしゃいでいて、ホッとさせられた。
舅の合図で、料理が片付けられた。長座布団が曳かれ真っ白いシーツが被せられた。
「さぁ、満貴。ここに座ってごらん。みんなの方を向くんだよ。怖くないからね~」
「はぁ~い」
舅の優しい声に何の疑いも無く白いシーツの上で体育座りをする満貴。
※元投稿はこちら >>