早紀を降ろし,手を降る
「じゃ,またな!」
「,,,じゃあね,,,」
ちょっと間があいたのを不思議には思ったが,やっぱり寂しいのかなと思っていた
それから,早紀とはなかなか会えなくなった
お互い仕事があり,なかなか予定が合わなかったのだ
次に会えたのは,12月のクリスマスイブ
しかし,毎年家族で過ごしている早紀は,ランチのみで帰ってしまう
時々 電話で話しはするものの,なかなか会えない
「寂しいから会いたいよ。。。」
という早紀の言葉にも,少し面倒くささを感じてしまう俺
気づけばそんな状態のまま4年が過ぎてしまった
会えたのは数回
寂しい気持ちを抱えていた早紀の変化に気がつかないまま,俺は勝手気ままに過ごしていた
手軽な逢瀬の美穂さんとは,旦那さんとよりを戻すことになり別れてしまう
白濁液の放出先を求めているうちに出会えた由美や美絵との時間
俺自身が寂しさを全く感じていなかったのだ
久しぶりのデートの帰り
「ねぇ」
「ん?」
家まで 後少しの所で,早紀が話し始めた
「私たちの関係って,なんだろう,,,」
「ん,恋人じゃないの?」
「本当に?」
「違うの?」
「私,,,辛いよ,,,」
車を停め,助手席を見る
目に涙をため,真剣な顔で俺を見る早紀がいた
それを見た瞬間,これまでの早紀への素っ気ない態度や酷い仕打ちに対する とてつもない後悔が襲ってきた
どんな時も笑顔で迎えてくれた早紀
いつも俺のために頑張ってくれた早紀
それを俺は こんなにも悲しませてしまっていた
「早紀,本当にごめんね,本当にごめんね!」
シートベルトを外し,早紀に抱きつく
声をあげて泣き出す 早紀
早紀の涙が 俺の服を濡らす
気がつくと 早紀の門限 直前になっていた
慌てて 早紀の家に行く
門限5分前,ギリギリセーフ
早紀を降ろし,手を降る
「じゃ,またね!」
「,,,じゃあね,,,」
不意に,何年も前の光景が蘇る
どんより曇っていたあの日,ちょっと間があいたのを不思議には思ったあの日
しかし,その時は深く考えずに 別れた
そう 別れたのだ,,,
翌日,由美と絵美に別れを告げる
早紀との結婚を決意したからだった
泣きそうになりながらも,
「幸せになってね!」
と応援してくれた絵美
ニッコリ微笑んで,祝福してくれる由美
「おめでとう!いよいよかぁ♪」
「本当にお世話になりました!」
「ふふ,お世話になったのは こっちよ ありがとうね♪」
なんて事を言い合いながら,別れる
最後に
「また使いたくなったら,いつでも言ってね♪」
と言われ息子が反応してしまったのには 参ったがf^_^;
2週間後の給料日,早紀への指輪を買う
お互い仕事が忙しくなり 会えるのはいつになるかわからなかったが,次に会った時に結婚を申し込もうと思ったのだ
そして,,,,
早紀から手紙が届いたのは 10月の終わりだった
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