外に出ると、そのまま、崩れるようにしゃがみこんでしまった。
今、見たものが現実だと受け容れたくない。
だけど、事実だ。
容子は、なぜ………。
なぜなんだ。
そればかりが頭を占拠する。
俺とのセックスが嫌だったのか。そうなのか。
俺は、思い浮かんだひとつの考えをどうすべきか迷いながら、ゆっくり立ち上がる。
自分の家を逃げるように去るなんて、そんな事をする日がくると思わなかった。
こんな時間なのに、誰ともすれ違うこともなく、駅まで戻ってこれた。
俺は、これから電車に乗って、電気街に向かう。
きっと、他人から見た俺の顔は、泣いてるように見えるかもしれないな。
電気街で俺は、盗聴器、レコーダー、盗撮の為のあらゆる道具を買い込んだ。
これを設置しなければいけないという使命感がみなぎっていた。
俺は紙袋をぶら下げて、家に帰った。
先の時刻から2時間近く経とうとしていた。
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