その手が最初に触れた私の体は、右手でした。
彼の左手は私の右手を包み込み、指が絡みました。
彼の手から伝わる熱気は、私を溶かすようでした。
彼の左手は、私の手をつかんで放さず、私もまた、放れない事を望んでいました。
私たちは、向き合う事無く、隣に身を置いたまま動けずにいました。
彼の指先が私の手の甲をさすります。
私は潤んだ目で彼の方に顔を向けました。
彼も私を見ていました。
始まりは緩やかに、だけど、それは急速に進み、
今、私たちの中には、お互いの体を貪る事と、それを止めるすべはなにもない事、そして、手の感触しかありませんでした。
2人は、肩を寄せて、それでも耐え切れず、彼の唇が私の首筋に触れます。
湿り気を帯びた、熱っぽい唇でした。
私は、それに身を委ね、彼の唇の感触を味わいました。
彼の左手が、私の右手から離れたのは、私から遠ざかるのではなく、私の腰に腕を回し、つかむ為なのを、離れた時に気付きました。
私と彼は密着し、私の目の前に彼の頭がありました。
彼は、私の首筋に吸い付いたまま、手を動かし続けるのです。
私の体を撫でるように、上から下へとゆっくり何度も繰り返しました。
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