そのうちに彼は私の背中をベッドに降ろしました。そして両ひざを持ち上げて、私のお尻を高い位置に固定し、一旦私の中から引き揚げました。
これで少し休めるのかと思ったのもつかの間、その体勢で私の中に一気に突き入れてきたのです。
あてがうこともなく、突然侵入され痛みにも似た快感が突きぬけました。
そしてさらに抜いては突き入れの行為が続きました。
私の声は枯れ、ただ泣き叫ぶだけでした。そして意識が遠のいて行きました。
しばらくして私に戻った時も、下半身の中で彼のモノが荒々しく動き回り、腰が力強く打ちつけられている最中でした。
快感は続いています。
ふと眼を開いた時、天井に映る2匹のけものが目に入りました。
浅黒いオスは白い裸身のメスを組み敷き、両脇から差し入れた両腕でメスの身体を固定し、腰だけが激しく動いています。
オスの身体の下から、大きく開かれて曲げられた白い両足が見え、それは欲望をより深く迎え入れようと、オスの動きに合わせてうごめいています。
しっかりと目を見開いた時、それは天井の鏡に映った私たち2人だと気がつきました。
まるで卑猥な映画を見るような思いで鏡に見入りました。
『なんて私みだらなの。あの顔で私は彼に抱かれているんだわ。』
『アッアー、なんて甘美。なんて気持ちがいいの』
2匹のけものに見とれる私と、私のソコを中心とした下半身は、その時まったくの別人格でした。
『もう少し、あのけものたちを見ていたい』
そんな私の思いに気付かず、視界を遮るように、彼は一度私から離れ、私を裏返しにしました。
彼がどうしたいのか理解した私は、四つん這いになってお尻を高くさしあげました。
彼のモノは2,3度と私の入口を上下にこすりあげ、またも深く侵入してきました。
さっき洗面所で挿入された時より、はるかに深度の増した突き入れでした。思わず私の頭が反り返ります。私の腰を両手でがっしりと固定し、そのまま強いストロークが繰り返されます。
もはや声の出なくなった私は、ベッドに顔を付けたまま、彼のなすがまま前後に揺さぶられ続けました。
無意識に前のめりになって両足を閉じ、うつぶせに寝そべった私のお尻にまたがって、彼はなおも動きを止めません。
「綾さん、もうだめだ」
さっきから無言で行為を繰り返していた彼が、初めて口を開きました。
『いいのよ、わたしももうイッパイ、私の中で行ってちょうだい』
そんな思いを込めて無言で何度もうなずきました。
「うっ」
彼が叫んだその瞬間、私の中で彼の放出が始まりました。
私の入口もそれに会わせて、ヒクヒクとうごめくのを自分自身で感じることができました。
まさに彼を私の子宮で受け止めていました。
私のソコから何かの放出と同時に、その陶酔に身を委ねるように、再び完全に意識が飛んで行きました。
約束の時間が迫ってきました。
名残惜しさでいっぱいでしたが、私も彼も帰途につかねばなりません。
二人で一緒にシャワーを浴びました。
もはや、お互いの体の隅々まで洗い会えるほどの距離感の中に二人はいました。
『離れたくない、いつまでもこうして居たい』
そんな思いをあざ笑うかのように、時間は過ぎてゆきます。
下着を付け、上着を身につけて帰り支度を終えた二人は、部屋に置かれたソファーで向かい合い、黙ってお互いの視線を避けるように座っていました。
「もう行かなきゃ・・・」
そう言って立ち上がった私に、彼が近寄ってきました。
黙って力強く抱きしめてくれました。
何度も何度も口づけを交わします。この時間を永遠にするかのように。
突然彼の右手が、私の乳房を洋服の上から押さえきつく掴みあげました。
「何を?…」
いぶかる私の後ろに回ると、いきなりスカートをたくしあげました。
「綾さん、綾さん」
そう小さく叫ぶとパンストとショーツに手をかけ、一気に膝まで下げて私のお尻をあらわにしました。
「何をするの?」
もう一度そうたずね直しました。
「服を着た綾さんを見たら、帰したくなくなって、もう一度抱きたくなって・・・、お願いだ。もう一度いいね?」
後ろ向きにされ、ソファの背もたれにしがみついた私の後ろから、彼が強引に押し入ってきました。
「あああああーーん」
『永遠にこの時間が続けばいい・・・』
その時、私のバッグの中にしまわれた携帯には、いくつもの着信履歴が残されていました。
甘く、切ないひとときの逢瀬を楽しんだ二人を、地獄につき落とす内容の着信履歴が。
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