2時間、新幹線にゆられ、ローカル列車に乗り換えて約30分。小都市の駅前のホテルで、会は開催されました。久しぶりの友達や先生との再会は、もちろん心は弾みましたが、それでも心ここにあらずの状態で、11時から3時間の会が終わりました。
『あぁ、これでやっと○○さんに会える』
打ち上げの拍手が終わった時、キュンと胸が締め付けられるような気持ちになったのは、私がやっと遠距離恋愛の恋人に会える小娘になっていたに違いありません。年甲斐もなく。
折角だから、と引きとめてくれた友達や先生を後にして、小都市から新幹線の停まる駅まで、彼との小旅行の始まりです。
小ざっぱりとしたラフな服装に身を包んだ彼は、年齢よりも若く見えます。
「○○さん、今日は奥さんに、なんて言って家を出てきたの?」
以前よりずいぶんうちとけた口調で、会話を交わせる自分に少し驚きながらも、かつて我を忘れるほどの性の世界を共有した者にしか分からない親密感を、彼に感じていました。
「ゴルフさ。女房にはこんな寒いのに、ってあきれられたけどね。僕のゴルフ狂いは半端じゃないから、別に怪しみはしなかったよ」
「そお、私達って本当になにやってんだろ、きっと最期は地獄へ落ちるんだわ・・・」
「僕は綾さんと一緒なら怖くはないよ」
そう言って彼は、私を握った左手にギュッと力を込めました。
しばらく車を走らせ、高速のインターチェンジの付近で、突然彼が大きくハンドルを回します。
「ここにはいるよ、いいね?」
彼は私の返事も待たず、小さなたたずまいのカーホテルにクルマを滑り込ませました。
彼以外は主人しか知らない私にとって、このような場所は初めてでした。物珍しさにきょろきょろとあたりを見渡している私を尻目に、彼はエンジンを止めると、助手席のドアを開け、戸惑っている私の手を引いてクルマから降ろしました。
私の背中を押すように歩きだすと、車止めの壁の電光板に表示された、ナンバールームのドアノブを回しました。
二人は同時に滑り込むように部屋のなかへ。
(イラッシャイマセ、ゴユックリドウゾ)
入口に備えつけられた自動会計機が無機質な女性の声で迎えました。
二人ともビックリしてたたずむと彼が肩をすぼめて
「おいおい、おどかすなよ」
とつぶやくとつられて私も(くすっ)と笑ってしまいました。
次の瞬間、彼は私を抱き寄せるときつく抱きしめ、唇を求めてきました。私も強く応じます。
彼の舌が差し入れられ、私も迎え入れていました。
長い口付けの交換の後、彼の先導で部屋に足を踏み入れました。
彼はコートとスーツの上着を脱いだ私を再び抱きしめると、そのままベッドに押し倒しました。
すぐにも彼を私の中に迎え入れたい気持ちとは裏腹に、まだ若干残った恥じらいと、身体を清めたい儀式のような感情が彼を押しとどめました。
「ねぇ、○○さん、お願いだからシャワー浴びさせて、お願いだから・・・」
彼の唇から逃れて言いました。
「いや、待てない、今すぐ綾さんを欲しいんだ。今日までずっと待ったんだ。このまま抱きたい」
首すじに押しつけられた彼の唇から切ない嘆願の声が漏れます。
「私は逃げやしないわ、ここにこうしているんだもの。ねっ、ねっ、お願い。少しでもきれいな私をあなたに抱いて欲しいの。だからせめてシャワーだけ・・・」
彼は私から身体を離すと切ない目で私を見つめました。
「わかったよ、綾さん。ごめん、僕焦っちまったかなぁ、綾さんの気持ちを無視して・・・」
「ううん、○○さんの気持ち、私とっても嬉しい」
そう言って私は身体を起こすと、彼の唇に(ちゅっ)と軽く口付けをして、彼をベッドに残し、浴室に向かいました。
シャワーでのお湯で身体を流しながら私のソコに指をあててみました。ソコはあきらかにボディーソープとは違う、ぬるみを帯びた液体で覆われていました。
『今からベッドで、ここに彼を迎え入れる。あのときのように彼は私を無茶苦茶にしてくれる。私に女を感じさせてくれるんだわ・・』
そう思っただけでソコは、ますますうるみを帯びて、お湯と一緒に内腿を流れ落ちる感覚に襲われます。
シャワートップからほとばしるお湯を口に含みました。それはとめどなく口の端からこぼれ落ちます。まるで私の、くめどつきない欲望と愛液のように。
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