あの衝撃的な出会い以降、ユキとは会えずにいた。
メアドは交換したのでメールで時々連絡する程度だった。
他愛のない内容だった。
『受験勉強厳しい!』
『実力テストで結果が良かった、悪かった』
その度に私は励まし、時にアドバイスを行った。
まるで父と子のような内容だった。
その年の夏はそれで終わり、やがて冬が来て春が来た。
桜が満開の頃、ユキからメールが来た。
『会いたい・・・』
要約すると、私の住む地方の公立大学に合格し、4月から同じ町で一人暮らしを始めるとのこと。
私は合格を祝福し、合格祝いの食事会を提案した。
「嬉しい!ありがとう!」
ユキは2つ返事でOKした。
そして当日、私はこの地方の名物料理を出す居酒屋へ連れて行った。
久し振りに会うユキは大学生らしく、ブラウスに薄手のカーディガンを羽織り、デニムのスカートに生足と年齢らしい格好をしていた。
髪はセミロング、少し化粧しているのか、以前より大人びた雰囲気だった。
居酒屋では大人びてビールを注文したが途中でサワー系にチェンジした。
2人はあの日以来の再会を祝し、今までの事、受験の事、こちらでは何処に住んでいる、などとりとめのない話をした。
あっと言う間に2時間ほど経過した。
「そろそろ帰ろっか?」
「えーっもっと飲みたい!」
「こらこら!まだ未成年だろっ!補導されても知らないよ。」
「んもうっ!オジサンのイジワルぅ~」
ビールとサワー2杯でユキは少し酔ったのか、顔を赤らめている。
2人は居酒屋を出て夜の街を歩いた。
そして大通り公園にさしかかる頃、ユキがつぶやいた。
「大学受かって本当に良かった・・・こうやってオジサンとまた会えるなんて・・・」
「本当におめでとう。良かったね。それに嬉しい事言ってくれるじゃん!」
「だって・・・あんなに気持ち良かったの・・・初めてだったし・・・」
私は公園の木陰でユキを抱きしめると、強引にキスをした。
ユキは拒むどころか、逆に舌を絡めてきた。
「久しぶりだね。キス・・・なんか懐かしい・・・」
ユキは私にしがみついてきた。
「じゃ、行こうか・・・」
私はユキと腕を組むと通りに面した所でタクシーを止め、ホテルに向かった。
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