アズミが帰ってから一度だけ電話が繋がった。「あっ!?アズミ?」「どちら様で?」年のいった男の声だった。アズミの父親だと直感した。自己紹介をした。「娘とはどういった…」「お付き合いさせて頂いてます」「貴男には悪いが娘には婚約者が居ますので…娘に関わるな」と高圧的に言われ電話を切られた。暫くしてまた電話をしたが解約され、完全に連絡が取れなくなった、休み前の夜に公衆電話から着信があった。出ると何も言わない。俺から話す「アズか?…何で?」「ゴメンナサイ…」「どうして言わなかった…言ってくれれば良かったのに」「ゴメンナサイ…何回も言おうと思ってたけど…言えなかった…」「今どこ?」沈黙する後ろからアナウンスが聞こえた。「東京発山形行き間もなく発車します」「アズ…迎えに行くから八重洲口の改札で待ってろ…」と言って俺はすぐに家を飛び出し迎えに行った。急いでる時程信号に引っ掛かる。イラつきながら車を運転した。そのイラつきを抑える為にタバコを何本も吸った。
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