帰り際念を押された「明日夜7時にお店に来てね」「俺は?」「中谷さんは奥さんを労ってあげて」「え~っ」「じゃあ気をつけて」と恵理は俺達を見送った。…次の日、俺は昔の事もあって気が重かったが、約束通り店に行った。店の扉に[臨時休業]と出ていた。(あれ?おかしいな)と思い帰ろうとしたら、ガラッと扉が開き「亮太君…いらっしゃい」と恵理が笑顔で言った。中に入ると店の奥に連れていかれ、靴を脱ぎ階段を登らされた。ドアを開けると住居だった。更に奥に通され、恵理が襖を開けるとそこには料理が用意されていた。「そこに座って」と促され座った。すると電気を消され別室から、ローソクを点けたケーキを娘が運んできた。俺の誕生日だった。ローソクを吹き消し電気がついた。「ありがとう…すっかり忘れてた…よく覚えてたね」「当たり前だよ…同級生だもん…今日の約束する為に昨日中谷さんに連れて来て貰ったの」「でも…昨日…」「演技よ」「マジか」「さぁ…冷めちゃうから食べよう」とささやかなパーティーが始まった。
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