恵理は寝返りを打って俺の方を向いた。「中谷さんがね…亮太君の事よく話すの」「中谷が?」「アイツはいい奴だって…初めて亮太君の事言ってた時、私すぐ亮太君の事だって解ったの…だって亮太君て、昔からイベントの準備とか大体8割位したら、後は他の人に任せるでしょ?…中谷さんも同じ事言ってたもん…アイツは自分の手柄にしない…最後の一番おいしい所はいつも他の奴に譲って、自分は身を引くんだって」「そんな事言ってたんだ」「うん…昔から変わらないね」「何でそんな事知ってるん?」「だっていつも見てたから…」と言って黙った。外で車が通り過ぎ一瞬部屋が明るくなり、恵理の顔がはっきり見えた。「ねぇ…そっち行っていい?」「…うん」恵理は俺の布団に入ってきた。俺は腕枕をしてあげ、恵理の肩に手を回し抱き寄せた。「亮太君…好き」「俺も好きだ」「ずっと好きだったんだから」「うん…」見つめ合い自然とキスをした。20年の時を経て、あの時伝えられなかった心を、ようやく伝える事が出来た。
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