「電気消すね?」恵理は電気を消した。街灯の明かりが僅かに部屋の中を映し出した。俺から話しを始めた。「あの時…行かなくて…ゴメンな」秋祭りの時の事を、20年経った今ようやく謝った。「あぁ…あの時ね…」「ずっと心に引っ掛かってた…」「いいよ…あの時は仕方ないもんね…おばあさんのお葬式だったんだもん」「知ってたの?」「うん…次の日、亮太君家行ったの…そしたらお葬式の準備してたから…」「その事をさ謝りたくて学校行ったら、他の女子に凄ぇ勢いで怒られたから…言えなかった」「確かに…あの時の陽子凄い剣幕だったもんね…私も怖かったし…実はあの時、亮太君の悲しんでる顔見て、私も悲しくなって泣いちゃったんだ…そしたら陽子が亮太君に何か言われたって勘違いしてね」「そうだったんだ…」「うん…あの後、全然お話出来なかったね」「いつか話せるだろうと思ってたのに…卒業まであの調子だったからな…」「ねっ…でも今はもう誤解は解けてるよ」「そうなん?」「久しぶりに会った成人式の時にちゃんと言ったから」と恵理は言った。それを聞いて俺は気持ちが楽になったのを感じた。
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