「あの…連絡したいのですが…」「この寺には電話はおろか電気も通っておりません…」「えっ!?マジで…」「はい修行の場ですから…週に一度街に出て生きるに必要な物だけ買って、後はずっとここで修行をしています」「厳しいですね…」「修行ですから…」「あの貴女の名前は?」「私はこの寺の住職で内田漣如と申します」「俺は」「林信之さんですね」「何で…」「免許証を拝見しました」 「なる程…助けて頂いて…ありがとうございます」「いえ…これも御仏の思し召しですから…それとこれはお食事です」とご飯を出してくれた。漣如さんは俺の体を支え起こした。俺はご飯を食べた。起こされて気がついた。俺の体のあちこちに包帯を巻かれ、トランクス一枚だったことに。食べ終わり「ご馳走様でした」「お粗末様でした…今、お薬を持って来ますから、また寝ていて下さいね」とお繕を片しに部屋を出て言った。横になって寝ていると、体中がだるくなり熱が出てきた。どうやら人に会って助かり、気が抜けてホッとしたからだろう。
※元投稿はこちら >>