30分程下ったが何も見えないので、下るのを止め大きめの岩に寄りかかって休む事にした。腹が減っていたので気休めにチョコを2つだけ口に入れ転がした。いつの間にか霧は晴れて、満天の星空と三日月が見えていた。タバコに火を点け時計を見たら9時を過ぎた所だった。夏とはいえ少し肌寒くなり上着をだし、布団の様に掛けた。横になって眠っていると何かが顔を舐めた。ビックリして起きると狸だった。周りが少し明るくなり始めていた。起きてまた沢を下った。途中でつまづいて転んだ時に、ボキッと嫌な音がして右腹に激痛が走った。右足と右腹の痛みに耐えながら少し進むと、お寺らしい屋根が見えた。近くまで行くと階段があり、それを登って山門まで着いた時に気を失った。…気がつくと天井が見えた。起きようと体を動かしたら、右腹に激痛が走った。すると襖が開いて1人白い頭巾を被った人が入ってきて「動いたらダメです」と言って、俺を寝かせた。「ここは?」と尋ねると「ここは〇寺です…朝掃除をしに出たら、山門の所であなたが倒れていたので、ここに運んで手当てしました」と言った。
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