昼休み俺は何気なく晴香に話し掛けた。「浅野君、美味しそうなお弁当だね?」「そうですか?…」「自分で作るの?」「はい…でも冷凍の物もありますけど…」「それでも自分で作るなんて凄いね」「ありがとうございます」「俺なんか余り作らないな…いつもコンビニだし」「あっ!?じゃあ主任のも作りましょうか?…1人分だと材料がどうしても余ってしまうので…」「えっ!?悪いよ」「私は全然いいですよ?」「本当?」「はい」「じゃあお願いしようかな…」「はい!じゃあ月曜からで…」「ありがとう」「いいえ」と会話をすると他の社員が「いいなぁ主任…浅野ちゃん俺のも作ってぇ」「〇〇さんは奥さんがいるじゃないですかぁ」「そうだったぁ…独身に戻りてぇなぁ」と嘆いた。アハハと皆笑った。帰り2人で歩きながら「これ材料費」と言ってお金を渡すと「大丈夫ですよ…私が好きで作るんだから…それに慶次さんには色々お世話になってるし…」と初めて名前を言って受け取らなかった。アパートに着くと「あの…明日慶次さんの部屋行っても…いいですか?」「うん…場所分かる?」「あの茶色のマンションですよね?」「うん…そこの303だよ」「303…分かりました」
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