翌日・・学校無事復旧登校せよ
そんな連絡網が来た。
いや、こんな堅苦しい言い方じゃなかったけど・・
そう聞こえてしまった。
ずる休みしたいけどそうさせてくれなかった。
美空が・・・。
「わんこ!靴下履かせて!」
「はい・・美空様」
どうするよこれ・・。
美空に靴下をはかせる。
綺麗な足・・。
靴下をはかせると美空は足を組んだ。
「ご苦労、わんこ!次は珈琲持ってきて!」
「はい・・」
僕は尻にひかれるタイプ?
もういいや・・。
襖を閉めて台所に向かう。
「おはよ、美月」
「あ、綾・・おはよ」
「美空はどんな感じ?」
「うーん・・」
どんな感じって・・。
あれは何?
ただのワガママじゃん。
「あはは、女の子はお姫さまみたいにわがまま言いたい時もあるのよ、付き合ってあげなさい」
「うん・・はぁ」
ため息が出ちゃう。
嫌じゃない。
そんな自分にため息。
ちゅっ・・。
綾がキスしてきた。
廊下なのに・・。
「綾・・」
「うらやましいなぁ・・美空・・美月、がんばれ!」
綾は洗面所に歩いて行った・・。
うらやましいのかな?
台所で珈琲をいれる。
インスタントだ。
文句言われてもこれしかない。
あとはお皿にトーストをのせる。
こんなもんかな・・。
「美月くん、おはよ」
「あ、春・・」
「美空ちゃん、相変わらず?」
「うん・・」
「あはは、頑張って満足させてあげなきゃね」
春は他人事だから笑えるんだ・・むぅ・・。
部屋に戻る。
制服を着た美空が足を組んで座布団の山積みの上に座っている。
椅子は無いからしかたない・・。
「遅い、わんこ!」
「申し訳ございません・・」美空の朝食を運んでいく。僕も今日はこれでいいや。
「トーストでございます」
「よこしなさい!」
「はい・・」
美空にトーストを手渡して僕も食べようとした。
「なに?わんこはまだお預けだよ!」
「むぅ・・」
「不満?」
「分かりました・・」
僕はそれだけの罪を犯したんだし・・。
仕方ない。
美空がトーストをもくもくとかじる。
僕はテレビをみながら学校の用意をする。
「わんこ、珈琲!」
「はい・・」
珈琲を手渡す。
もうぬるいかな・・。
美空はずずっと飲んで僕を睨む。
「まずい!」
「どうしろって言うんだよ・・インスタントしかないんだし・・」
「少し高いの買ってきて」
「はーい・・」
美空はムスッとしながらコーヒーカッブを置いた。
「わんこ、こっちに来なさい」
「なんでしょうか・・っ!」
胸ぐらをぐいっと捕まれた・・
「ご褒美欲しい?」
「ごほうび?」
唇が近づく・・
キス・・。
寸前でとまって突き飛ばされた。
「な、なんだよ・・」
「わんこにはもったいないわ!」
「むぅ・・キスしたい」
「もっと頑張ったらしてあげる」
なんか僕の中でめらめらと燃えつつある。
楽しい・・?
そんなはずない・・。
当たり前だけど食器は僕が片付ける。
台所に行くと春と利奈がお弁当を作っていた。
利奈は僕を見てニヤニヤしている。
「美空ちゃんの執事さんだね」
「困ったよ・・もぅ」
「いいなぁ、憧れる」
綾もそんな事言ってた。
女心ってよくわからない。
部屋に戻ると美空がカバンを指差す。
「わんこが持って!」
「はぁ!?」
「口答えするな!」
「はぁ・・」
予想してたけどやっぱり・・・
どうなる僕・・。
学校でもこんな感じ?
嬉しいような困ったような・・微妙な気持ち。
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