覚悟はしてた・・。
いよいよ始まってしまった・・。
僕と美空はこの壁の前には無力だった・・
何もしなかった事を今更恨んだ・・。
始まってしまった・・。
文化祭の準備・・・。
ジョキッ、ジョキッ。
美空と一緒にハサミで段ボールの形を整えていく。
演劇の時と比べたら月とすっぽん・・・。
なんとも地味な作業が回ってきた。
美空は退屈そうにハサミを動かす。
「美月・・角っこ早く整える競争しない?」
「何その競争・・針の穴に早く糸を通す選手権くらいつまらない」
「そんなんあった?」
「あったよ・・」
「はぁ・・」
「はぁ・・」
二人でため息をつきながらジョキジョキとハサミを動かす。
多分僕と美空の目は死んだ魚みたいになっている。
文化祭の準備は午後に行われる。
授業やってた方がマシだ。春と結実はお化け役。
鈴美、鈴香姉妹は製作指揮、音響担当。
今教師にいるのは数人の生徒のみ。
退屈だ・・。
ノルマを達成しないと帰れないし。
とりあえず黙々と切っていく。
「美空、沙弥先生は・・」
「大丈夫、あの人はもう求めて来ない」
「そっか・・」
それならいいけど・・
大丈夫かな・・
沙弥先生とのエッチは気持ちよかったけど・・。
やっぱり美空のが良かった・・。
美空とのエッチの方。
「ちょ!ばか!」
「ん?・・あ・・」
少し固くなっちゃってる。
どうしよ・・。
美空が耳元に顔を近づけた・・。
息がかかって勃起しそう・・・。
「あとで抜いてあげるから今は我慢して・・」
「うん・・」
なんとか気持ちを抑える。
作業をしながら色々と考えてしまう。
今日の晩御飯とか・・。
「できた!」
「えっ!?」
「ノルマ達成!」
美空はため息をついて目をゴシゴシ擦った。
なかなか疲れるしな。
僕ももうちょっとだ。
ジョキジョキとハサミで切る。
こんなもんかな・・。
「できた!」
「美月、遅いね」
「うっさい・・」
気付けばクラスに残ったのは僕と美空だけだ。
もうみんな帰ったか・・。外は薄暗い。
「美空、エッチしよ!」
コツン
げんこつされた・・。
「ばか、私は学校でするのは好きじゃないの!」
「むぅ・・」
「帰ってから・・ね?」
「じゃあキスしよ?」
「うん・・まぁ・・」
美空と見つめ合って顔を・・・。
誰かくるな。
さっとキスをする。
「ちゅっ、ん・・っ」
「んっ・・はっ・・」
唇を合わせて貪るように。
顔を離す。
美空はとろんとしている。
がららっ。
扉が開いた。
・・・・・?
誰も入って来ない。
「え・・!?」
「え・・!?」
美空と顔を見合わせる。
春と結実のにおい・・。
「ばぁ!!」
びっくりして美空に抱きついた。
春と結実がお化けの格好をして飛び込んできた。
「わぁああ!!」
美空と僕は叫んでしまった・・。
春と結実はニヤニヤ笑っている。
「どう?」
結実が訪ねてきた。
「こ、怖かった・・」
「えへへ、迫真の演技だったでしょ?」
「うぅ・・うん」
春と結実は黒いマントを這おっている。
よく見れば可愛い格好だ。
「今日は帰る?」
「あ、うん・・もう遅いしね・・・」
パッ。
教室の電気・・いや・・学校の電気が消えた。
なんだ・・?
「美空、停電・・?」
「かも・・」
困ったもんだな・・。
僕はカバンの中からフラッシュライトを取り出した。
美空と僕で計4本ある。
結実と春に手渡す。
「準備いいね・・びっくりした・・」
春が驚いている。
4人で行動しよう。
どうせ大したことじゃないはず。
「とりあえず職員室に行こう」
4人で廊下に出た。
がらんと静まりかえっている。
フラッシュライトをつける・・。
光が100メートル先にも届くやつだ。
かなり明るく長寿命。
だが今はローパワーモードにしておく。
明るければいいってもんじゃない。
フラッシュライトは凶器になる。
廊下を照らしながら職員室に向かう。
不気味だ・・。
生徒はほとんど帰った様子・・・。
何もなければいいけど・・
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