有難う御座います。
誤字とか多いですね。すいません。
ゆるゆる書いていくので、楽しんで頂けたら嬉しいです。
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「…え、どうして…、なんで?」
脱いだ衣服がベッドシーツの周りに散乱している。その中で由香が虚脱しているのを、私はただ黙って眺めていた。
由香はようやくになり自分の姿に気付いたのか、手近にあったブランケットを手繰り寄せ、慌てて裸体を隠した。
「なんで…何もしないって言ったじゃないですか…!」
「僕は何もしていないさ」
「こんなのいやだ…最低ッ…!!」
侮蔑の眼で私を強く睨み付け、いそいそと、自分から脱ぎ捨てた服を探して次々と汚れた身体の上に着ていく。
私は煙草の火を消し、パソコンに保存した動画を再生した。
その音声と映像が繋がった時、由香はコートに手を掛けたままで制止した。
「…なんですかこれ」
「なんだろう?」
『……由香は今日雄一さんを誘惑しました』
「嘘…止めて」
『雄一さんの子供が欲しいから』
「止めて、やめて!!」
画面の中で由香が美味しそうに私のモノを頬張る。
いやらしい音を立て、拙い舌の使い方で、子供が飴を頬張るように嬉しさで満ち足りながら笑う。
後ろから半狂乱になった由香がパソコンのモニターを掴んで揺さぶった。
「やめて!!なんですかこれ、お願いやめて…嘘だ…やめてやめてやめて…お願いします…」
「嘘じゃないよ、だって」
『これが証拠です』
ガクン、と鳴った。見ると力を失った由香が膝から突っ伏していた。
相反するように、いつまでも画面の中の由香は幸せそうに私に抱かれ続け、それを「嘘だ…いやだ」と譫言のように呟きながら打ち消そうとするが、消えることはなかった。
「どうしたら消してくれますか…」
散々泣いた挙げ句、私に向き直ると縋りついて懇願してきた。
私は少し哀しかった。よほど現実が厭なのだろう。私に抱かれた事が、彼氏以外の他人に汚されたことが、そして慣れない酒に泥酔していたとは言え、行為に及んだ自分が。
満開のひまわりのように、屈託無く接してきた由香は、今では強く私を侮蔑し、否定している。
この時か、いやもう随分と前からか、私の感情は徹底して黒を塗り潰してしまっているから、そんな事では微塵も揺らぎはせず、この娘を玩具にしたい一心しかすでに無いのであった。
「消すって何をだろう」
「お願いします…消してください」
「君が撮って欲しいって、そう頼んできたんだよ?」
「そんな…酷い、嘘です」
「嘘を吐いているのは由香じゃないか。君は昨夜、僕を誘惑したんだ。話の途中でいきなり脱ぎだしてね」
「それは…違うし、だってお酒も…」
「お酒?」
私はテーブルで鎮座している瓶を渡した。
「ジュースだよ。君がガブガブと飲んでいたのは」
「…は?」
「それともたった一口ワインを呑んだだけで酔っ払いました。だから私は被害者です。そんな感じかな」
「…」
「君は、酔ってなどいない。制止した僕を無理矢理誘惑して、甘い言葉で僕を騙そうとした。僕は君が真剣に好きだったのに、その事も利用して。思っているだけで幸せだったのに…君は、自分がその晩だけ寂しいから僕を利用し、弄んだんだね」
「そんなの違う…嘘です…」
「さっきから嘘嘘って…。じゃあこれは何なの?動画は。君が撮って欲しいって言ったんだろ。寝て起きて覚めたら都合が悪くなったから消せって?」
「違う…違うの、こんなの…酷い…」
「もういいよ。君とは良い関係で居たかったけど。裁判でもなんでもしよう。苦痛を受けたのは僕だからね」
「ひ…裁判って…」
「うん、だって証拠があるからね。観て貰おうよ。それでどっちが正しいかはっきりさせよう?」
「やだ、やだ!お願い、やだそんなの!」
「ほら、都合が悪いからイヤなんだろ。君の家族にも彼氏にも観て貰わないといけないね」
「やめて…ごめんなさい…ごめんなさい…」
「…とりあえず今日は帰りなよ。後で連絡するから」
これ以上続けても嗜虐に酔いすぎて失敗しかねないので、私は泣きじゃくる由香を無理矢理家に送り届けた。
彼女の動揺する様子から、この後警察や親、或いは恋人を頼ることは無いだろうと確信していた。
翌日と、その次の日もシフトで由香と二人きりだったが、私からは何も話さず敢えてわざと避けるように過ごした。最初近付くだけで緊張しているのが見て取れたが、よくよく観察していると、不安そうに私の顔色を窺っているようだった。
あのような適当なでっち上げを疑っていないのか、徐々に由香自身の方に罪悪感の色が浮かんで見えた。
私は次にどうするか、そればかりが楽しみでならなかった。
由香からメールが来たのは、三日経った夜だった。
「何度も思いだそうとしてもやっぱり無理です…。
本当に私が、由香が雄一さんを誘ったのか思い出せない…ごめんなさい。
でもあんなビデオもあるから、やっぱり由香の所為?考えても解りません。
多分お酒とか映画に沢山はしゃいだからあんな由香になったんだと思います…いっぱい傷つけてごめんなさい。どうしたら許して貰えますか?
連絡が欲しいです」
翌朝。
バックヤードで在庫を数えている由香に、私は声を掛けた。挨拶するのも四日ぶりだった。
由香は最初びくびくしていたが、次第に私の顔を窺って、安心したのか少し笑った。
「あの…もう怒ってないですか?」
「うん。怒ってないよ」
「良かった…あの…裁判とか」
「それとは話が全然別だからね。裁判はするよ。知り合いに弁護士居るって話したよね。今書類頼んでるし、近々連絡行くと思います」
「何で…どうしても駄目ですか…」
由香は私のジャケットの襟を掴んで泣き崩れた。幸い他の従業員に見られる事は無かったが、このままでは不味いのでウォークイン冷蔵庫の中に由香を連れ込んだ。
「どうしたら許してくれますか、何でもしますから裁判だけはイヤです…」
「イヤって言われてもなあ…何でもするって何が出来るの?」
「わかんないけど…わかんないけど何でもしますからぁ…」
「はは。じゃあ彼氏と別れて僕と結婚する?」
「…そんなの」
「無理だろ」
「はい…。ごめんなさい…」
「馬鹿にしてんのかお前。何も出来ねえだろ」
「ひっ…うう…」
私はあの晩のように、優しく由香の頭を撫でた。ふんわりとした女性の香りが鼻にくすぐったかった。
「由香は、彼氏が好きなんだよね?」
「…はいっ…」
「別れるような事になるのがイヤだから、そんなに騒ぐんだよね?」
「はい…別れたくないです…」
「あっそ。まあいあや。とりあえず舌出せ」
「え?や、なん、えっ?」
「早く。舌、出せ」
「あひ、あ、へ…?」
えー、っと精一杯舌を出す由香。意味が解らず、目を白黒とさせながら。
混乱しながらも言うことを聞く由香の顔をがし、っと掴み、私は由香に顔を近づけて夢中でその舌を貪った。拒絶する身体を強く抱きしめた。制服の上から胸を揉みしだいた。
諦めたのか、由香は人形のように力を無くし、されるがままと化した。
「…いいか。彼氏と別れたくないんだよな。だったら俺の言いなりになれ」
「…はい」
「俺が脱げって言ったら即座に脱いで言うとおりにしろよ。チンポを舐めろと言ったらどんな状況だろうと舐めろ。何時、どんな時でも俺が望んだ時に喜んで抱かれろ。そうしたら彼氏にだけはバレないようにしてやる。裁判も無しだ」
「…うう…はい…」
「良かったな。由香」
「…はい…有難うございます…」
「キスしろ」
「はい…」
仕事も忘れ、泣きながら私の口の中を舐めまわす由香。歯茎を、舌を舐め、何度もお互いの唾液の交換を果たした。
そうしてから化粧もぐずぐずになった由香を一旦仕事に戻し、シフト中も暇を見て由香の身体を触ったり、キスを強要したりした。その度にきつく目を閉じてされるがまま、きっと「どうしてこんな羽目に…」と恨み言を思っているのだろう。
もう流す涙もない彼女を、私は初めて与えられた玩具のように楽しんだ。
玩具は人に自慢して楽しみたいのが普通であろう。他人達と、壊れて飽きるまで。
普段より明らかに元気が無い様子を、常連のエロ爺に心配されて困っている由香を眺めながら、私はそう思った。
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