由香のすすり泣きが扉越しに重鎮されていった。ごめんなさい。ごめんなさい。今ばかりは彼氏ではなく私に向けてのようではあるが。
私はモニターで由香の様子を見やりつ、たっぷりと時間をかけて煙草を一本灰にした。
時間にして10分経ったか。丁度すすり泣きも聴こえなくなった頃。暖かいココアを用意し、ブランケットを抱えて扉をそっと開けた。泣き腫らした由香と眼があった。
私は後ろからそっとブランケットかけて由香を包み込み、手錠を外して強く抱きしめた。冷え切った体は私の腕の中で小刻みに震えた。
「寒かったよね。ごめんね。風邪引いちゃう前に入ろう」
「…ううっ…はい…」
「ココア用意してあるよ。それ呑んだらもう一度お風呂入ろうね」
「ごめんなさい…雄一さん…ごめんなさい許して…」
「いいよ、もう。由香が俺にされるの嫌なのは仕方ないから」
「違うの…ごめんなさい…」
「言うこと聞いてくれないから、つい酷いことしたんだ。ごめんな由香。俺のこと嫌いなのはもう、仕方ないから」
「違うの…違うの…。由香が悪かったの…ごめんなさい」
そう言い、わっ、と泣いて由香が私に縋り付いてきた。私は由香の頭を、最初の晩のように慈しみを込めて優しく、撫でた。
「俺は由香が大好きだよ。でも由香が俺を嫌いなら、もう強要しないよ」
「違う…由香が悪いから…酷いことされただけなんだよね…?由香言うこと聞くから…許してほしい…」
「本当に?もう泣いたりしない?」
こくこくと由香が頷いた。その眼は怯えの青みがかった色から、親に許しをこう子供の眼になっていた。
本当に、本当に、哀れな女だな。由香。
「好きだよ。由香。愛してる」
そう告げ、私は由香に優しいキスをした。いつものように拒絶も抵抗も無かった。眼を閉じ、啄むように私の唇を受け止め、徐々に由香からも舌を出して絡め、暫くはお互い恋人のような甘いキスに身を委ねた。
耳たぶに触れるとぴくん、と体を震わせた。舌を絡めながら耳をいじると、次第に触られた耳に熱を帯びていくのが分かった。
「感じてるんだね。由香可愛い」
「ん…恥ずかし…耳弱い、…っひあ」
熱くなった耳たぶに舌を這わせる。甘えたような声を上げて、あの晩以来初めて由香が自分から感じている姿を見せた。
時間をかけて丁寧に由香の体を愛撫した。耳から始まり、首筋、腋の下、背中、腰、直接的に感じる場所を避け、一つづつ、丁寧に由香の性感帯を探した。
由香は完全に私に体を預け、いつもの様な強姦染みた行為ではなく、恋人とするよりも甘いペッティングに酔いしれているようだった。ココアに微量だが酒を混ぜたのは正解だったようだ。
その間も私は、由香の耳元で愛を囁き、感じている事を伝えてはそれを認めさせ、自分が私に抱かれていることを強く意識させた。
一旦快楽が登り詰めると手を休め、軽いキスを交わし、もでかしさを与えた。キスの反応でそれらは観察出来た。
私からは唇を重ねるだけで舌を入れないようにしていたが、次第に我慢できなくなってきたのか、普段からは考えられないが由香の方から濃いキスを求めるようになった。ここ最近仕込んだこともあり、随分キスの仕方も上手くなった。
舌を交わす合間にもはあはあ、と由香の興奮を聞いた。
「…って」
「どうした?」
「触って下さい…」
「何をだ?」
「意地悪しないで…胸とか…です」
私は触れるか触れないか、微妙な位置で乳輪をなぞった。興奮の声が一層高まった。
舌で優しく乳首を転がし、手のひらよりもずっと小さな胸を優しく揉みほぐす。この女は本当に胸が弱いのか、そうして少し触っただけでも声を我慢できずにいる。
私は由香のコンプレックスを思い出した。
「由香の胸小さくて可愛いよね」
「小さいって言わないで下さい…」
「由香の胸好きだよ。可愛い」
「んっ…ほんとに?」
「本当。凄い可愛い」
余程言われなれてないのか、可愛いと言う度に子供のようになって照れながら笑い、また悦楽していく。左手で膣の入り口に触れる。びっしょりと溢れかえっている。充血して突出した陰茎を指でなぞり、短く悲鳴をあげた後に簡単にイった。それからは単純にクリを舐めて上げるだけで何度も腰を砕けさせて勝手にイき、その度私の手に指を絡めて強く握る。普段イき慣れていないのか三回目辺りでぐったりとしてしまったので、少し休ませて話をした。
「あまりイった事無いの?」
「無いです…その…雄一さんにされたのが初めて…です」
「あー…。店でいじった時か。彼氏とエッチしてイかないの?」
「うーん…その」
頭を撫でながら聞いてやると、ぽつりぽつり、と由香が話始めた。
あまり彼氏とは性交がないこと。
泊まりに行っても相手にされる事はすくなく、キスも滅多に応じてくれない。それは、多分自分の体に魅力が無いからだと由香は言った。彼氏の友達には女が多く、その殆どが胸のある大人びた女性で、不安だと話した。
相手にされようと一生懸命写真や動画を撮って送ってみたが、大して喜んでくれないのだと言う。
先日彼氏の元に返したときも、適当で面倒臭そうに相手をされただけで返されたそうだ。どおりでキスもフェラも下手だった訳だ。言うより、そうまでされてまだ彼氏と居たいのだと言うから呆れるが。
私は親身になって聞くふりをし、由香を慰めた。次第に話に熱が隠り、また泣かれても面倒なので適当に話を切り上げ、その唇にまたそっとキスをした。もうキスをするぐらいでは当たり前になってしまったようで、自然に眼を閉じ、応じるようになった。彼氏に相手にされないと話しながらも、このキスには罪悪感は無いのだろうか。私にはどちらでも構わないことではあるが。
「佐江木くんにも…酷いこと言われました…私がブスだから彼氏が可哀想って…由香やっぱりブスですかね?」
「言うな。何も」
少々面倒になり、私は由香の唇を奪う。それを何か勘違いしたのか、由香は私の首に手を回し、夢中で応じてきた。きっと少女漫画染みた幸せな方向で解釈したのであろう。息をするのも煩わしいように、由香が私の唇を求めて離さない。
「好きって言って下さい…」
「愛してるよ」
「んっ…もっと…ふんっ…」
「俺だけに言わせてずるいぞ」
「好き…になりそう…かも」
私から目を逸らし、えへへ。と由香が笑った。
「どうして。あんなに俺に酷いことされたのに」
「うーん…なんか、わかんないけど。いっぱい可愛いって言われたからかも、わかんない。本当は優しいから?好きになっちゃいそう…かな、わかんないや。雄一さん上手だからキスは好きだけど…」
「ちゃんと言わないともうキスしないぞ」
「んー、やだ…好き…」
そうして私の唇に重ねようとするが、私はそれをわざと拒む。すると、出されたおやつを取り上げられたような切ない顔で私を見た。私はたまらなくなり、顔を強く引き寄せて舌を貪った。唾液を流し込んでもそれを受け入れ、大量に流した全てを呑んでみせた。お互いの口の周りが汗と涎でぐちゃぐちゃだ。
「俺と居るときだけ恋人になってよ」
「えっと、うん…好き」
「もっとちゃんと」
「好きだよ…大好き」
そしてベッドの上で二回挿入し、今までは嫌がる風呂も一緒に入り、体を素手と胸でソープランドでするように洗わせ、またそこでもバスタブで手を付かせて後ろから挿入した。
当たり前のように中で出してももう泣くことはなかった。
困ったように笑って「出来ちゃうね」と、由香はそう言った。
上手くなって彼氏を見返したいと言うから、私が疲れて休んでいる間も口でくわえさせ、精液の味を覚えさせる。最初は生臭さが駄目だったようだが、その晩から翌々日まで合間があれば飲ませてみたため、慣れたら口で出されるのも良くなってきたと言う。
仕事場では目を盗んではキスをせがんでくるようになった。中毒だと言った。私とのキスがないと満足出来ないらしく、バックヤードでも、カウンターの中でも、見えないところで何度も唇を求められた。
相変わらず制服の下には何も着せていないが、触ろうと脱がそうと困ったように笑いながら応じるだけで、拒否は一切しなくなった。
一緒に仕事場に行き、一緒に帰り、映画を見て朝まで性交し、指を絡めて眠る。恋人よりも恋人らしい日々が一月以上続いた。
私が言わなくても由香の方から「好き」「愛してる」と言うようになった。
彼氏とは婚約し、親同士の関係でもあるらしく別れることは出来ないので、たまに帰してみるが、やはり相手にされないか、もう彼氏との性交では満足出来ないかで、帰宅すると私に甘えて抱かれたがった。
所詮この女も肉体の赤。
完全な私の玩具が完成した。
そして。
次なる行動に移るため、私は久々に佐江木と打ち合わせすることにした。
それまでも時々、仕事場で佐江木に由香の体を触らせたり、キスをさせたり、床に吐いた佐江木のタンを舐めさせたり、自宅に呼んで何時かのように強姦プレイをさせたりした。
由香はそれらの行いの後で、私が抱いてくれるなら我慢すると承諾し、佐江木に犯されてながら喜んだ。
佐江木が「一週間くらい由香レンタルしたい」と言ったことそろそろ叶えてやろうか。私はその準備のため、佐江木を自宅に呼んだ。
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