お母さんの仕事場は有名なクラブだ。
キラキラな看板。
「春ちゃんおいで、大丈夫」「うん・・」
さすがにドキドキする。
綺麗な店内。
美人な人がいっぱい。
「せんぱーい」
綺麗な金髪のお姉さんだ。「なつみ、うちの息子お願いね」
「おまかせーっ!」
なつみさんが頭を撫でてくれた。
「こんにちわ!」
「あ、はいっ!」
「うわぁ、まじ萌えますね!女の子じゃないですか!」お母さんはムスッとした。「あんまりベタベタしないでねっ」
奥の部屋に案内される。
なつみさんの後ろについていく。
休憩室みたいな場所だ。
ソファーがある。
「さ、座りなっせ!」
「あ、はい・・」
ゆっくり座る。
なんかドキドキするな。
なつみさんがコップにジュースを注いだ。 「ジュース飲む?」
「あ、ありがとう・・」
緊張のせいか喉が乾く。
なつみさんも綺麗な人だ。「私が春ちゃんのお相手しますねっ」
「よ、よろしくお願いしますっ!」
「ははっ、こちらこそ」
いい人みたいだ。
優しそうだし。
しばらく話す。
僕の事は聞いていたみたいだ・
お姉ちゃんの事も。
「そか・・怖かったね」
「でも僕が悪いのかも・・」「そんな事ないよ、好きな事は大切にしなきゃ!」
「でも今のままじゃ・・」
なつみさんが肩をポンポンと叩いた。
「中学校になれば色んな人と触れあうんだから大丈夫だよ、ゆっくり進めばいいよ」
「・・・はいっ」
なつみさんはお母さんの後輩でしばらく僕の世話をしてくれるらしい。
なつみさんが僕をじっと見ている。
「いや・・・しかし・・すごい・・凄いよ君は!」
「へっ!?」
「ちょっとおめかししてみない?」
10分後。
目の前の鏡には女の子がいる。
僕・・・。
「ウィッグをつければカンペキッ!」
ショートヘアのカツラを被る。
「わぁ・・可愛い・・」
「綺麗・・・」
自分を見て変な気持ちだ。女の子・・・。
「ささっ、お披露目っ!」
「わわっ!」
背中を押される。
やばい・・・。
恥ずかしい・・・。
店内にはお客さんがいっぱい。
視線が集まる。
お母さんも僕を見た。
二度見てハッとした顔になった。
「し・・しゅん・・」
「お母さん・・・」
「なつみっ!何してんのよ」なつみさんは笑ってヘラヘラしている。
しばらくお母さんの隣に座っていた。
緊張する・・・。
けど・・・悪くない。
お客さんと話すのも楽しかった。
たぶん警察に捕まるな。
なつみさんが・・。
休憩室に戻ってしばらく寝てしまった。
いい気持ち・・・。
スカートを借りた。
女装・・・いや・・だめだよな・・。
起きるともうすぐ閉店時間だ。
なつみさんはテレビを見てゲラゲラ笑っていた。
女の方が獣・・分からない・・・。
「なつみさん・・男より女の方が獣だよって・・お姉ちゃんが言ってた・・どういう意味かな?」
「ふーん・・・」
なつみさんは少し考えてから僕を見つめた。
「大人になれば分かるかもね・・・お姉ちゃんの言うとうりかも」
「・・・そうですか」
休憩室のドアがバンっと開いた。
「春ちゃんおまたせっ!」
酔っているお母さんだ。
抱きついてきた。
「しゅん・・・むふっ」
「先輩は可愛いなぁ」
僕は抱きつかれながら少し考えた。
女の子って純粋なんじゃないのかな・・。
違うのかな?
家に帰る・・女装で。
慣れてしまった自分が怖い・・・。
「しゅん・・寝よ・・」
「うん・・」
お母さんと一緒に寝る。
化粧は落とした。
「しゅん・・」
抱きついてくる。
僕も抱きつく。
お姉ちゃんが怖い。
けど心配・・・。
今は考えないでおこう。
「お母さん・・童貞ってなに?」
「ん・・・?エッチしてない男の子の事」
「お姉ちゃんは奪ったって言った・・・奪われたけど大丈夫なの?」
「くすっ・・・大丈夫・・好きな人としなさい・・」好きな人・・・。
どんな人?
「僕はお母さんが好きだよ?」
「・・・私とはしちゃいけないよ・・だめなんだ」
「なんで?」
「それは・・・」
「お母さん・・気持ちいいの?エッチって・・」
「うん・・好きな人となら凄くね」
興味が湧いてしまう。
入れればいいのは分かったから・・・。
「お母さん・・だめ?」
「・・・・・」
「お姉ちゃんの時は怖かった・・凄く・・」
「我慢してね・・」
僕はお母さんにしがみついた。
変な気持ち・・・。
分からない・・・。
分からないよ・・。
大人ってなんなの?
好きな人ってなんなの?
僕には分からない・・。
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