怪我の具合は良くない。
右手を深く切った。
出血も酷くてしばらく入院する事になった。
お姉ちゃんを避けるためでもある・・・。
個室で一人きり。
たまに来るのはお母さんだけ。
つくづく友達がいないんだなって思った。
お姉ちゃんの事を思い出してブルッと震える。
凄く凄く・・怖かった。
右手が治るまで料理ができない。
テレビをボーッと眺める。看護婦さんがたまに来る。「調子はどうかな?」
「あ、はい・・大丈夫です」「明日退院だね」
「・・・はい」
退院は明日。
家に帰ると思うだけでブルッと震える。
お姉ちゃんが怖い。
前よりずっと・・・。
消灯時間になる。
もうすぐ電気も消える。
ドアが開いた。
「お母さん・・?」
お姉ちゃんが笑って入ってきた。
「調子はどう?」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
ナースコールを押そうとした。
パシッと掴まれる。
「ねぇ・・調子は?」
「は・・ぁ・・へいき」
「そっか・・」
お姉ちゃんは椅子に座った怖い・・なんで来るの?
「どうせお見舞いに来るような友達いないでしょ?感謝しなさい」
「あ・・うん」
返事しかできない。
お姉ちゃんが僕を睨む。
今度こそ殺される。
「あんたは・・どうしてそんななの?」
「・・・何が?」
「どうしてとじ込もってるの?・・友達くらい作りなよ」
「とじ込もってなんかない・・」
「好きな事だけをしてて友達が作れると思ってんの?周りに合わせる努力はしないの?」
「僕は・・・」
僕の肩をガシッと掴んだ。「あんた・・・むかつくよ・・・そんなんじゃダメ・・・そんなんじゃ・・一生そのままだよ?」
「う、うるさいっ!僕を襲ったくせにっ」
お姉ちゃんが僕の首を掴んだ。
「私も・・分かんないよ・・どうしてこんな風にしか・・できないのか・・分からない・・・」
お姉ちゃんは泣き出した。けど僕の首をしめてくる。「しゅんの事・・・どうなのか分からないよ・・なんで傷つけちゃうんだろ・・・・分かんないよ・・」
苦しい・・・。
お姉ちゃんが手を離した。「しゅん・・ごめん・・本当にごめん」
お姉ちゃんは病室から出ていった。
怖かった・・・。
けど・・お姉ちゃんは泣いた。
分からない・・・。
翌日お母さんが迎えにきた荷物を持って車に乗る。
「春ちゃん・・お家帰るの怖い?」
「うん・・・」
「しばらくお母さんと一緒にいよう・・」
「うん・・・」
マンションについて玄関を開ける。
お姉ちゃんの靴がある。
恐怖しか・・湧かない。
お母さんの部屋でテレビを見る。
しばらくはお母さんの部屋で生活する事になった。
お母さんが仕事に行く時は一緒について行く事に。
お母さんが部屋に入ってきた。
「おにぎり作ったけど・・・食べる?」
「うんっ!」
お母さんのおにぎりは形は変だけど美味しかった。
「お母さん・・・お姉ちゃんは・・」
「その事でね・・今、凛は疲れてるんだよ・・」
「違う・・前から殴られたりしたよ」
お母さんはびっくりした。たぶん初耳だからだ。
お姉ちゃんはまた黙ってた・・・。
「離れるしか・・ないのかな・・」
「僕・・違う場所に行きたい・・・違う場所で友達を作りたい」
「春ちゃん・・・」
お母さんが悲しそうな顔をした。
「もう少し考えよ・・ねっ?きっと・・大丈夫」
「うん・・・」
しばらくお母さんの部屋にいた。
トイレに行きたくなって部屋を出た。
廊下は暗い。
トイレに入っておしっこをする。
あの時・・ぬるっと中に入った・・。
お姉ちゃんの中に・・。
後ろのドアが急に空いた。お姉ちゃんが抱きついてきた。
また何かされる・・。
「やっ、だめっ!」
チンチンを掴まれた。
ゴシゴシ擦られる。
「ん、はぁ・・」
怖いけど気持ちいい・・。「女って・・男より獣なんだよ・・」
耳をかぷっと噛まれる。
「んぁっ・・」
「友達がいないなら・・私と一緒にいよ?・・一緒に・・」
「凛っ!」
お母さんがお姉ちゃんを引き剥がして僕を抱き締めた「やめなさい・・」
お姉ちゃんは黙って部屋に戻った。
お母さんに連れられて部屋に戻る。
「お母さん・・」
「大丈夫・・なんとかするから・・大丈夫」
そのまま抱き締めてくれた・・。
お姉ちゃんの言った事。
僕は周りに合わす努力をしてないから・・だから友達ができないのかな・・。
僕は・・・ダメなやつなのかな?
女の子とは喋れる。
けど・・・女は男より獣って?
どういう意味?
怖いよ・・怖い・・。
どうすればいいの?
※元投稿はこちら >>