体が熱くなってきた。
緊張のせいもある。
「春くんのためなら・・」
ダメだ・・。
あの快感が味わいたくなる・・。
とっても気持ちいい事。
でもこの人はお姉ちゃん。父親が違うだけ・・。
そんなのダメだから。
「だめっ、お姉ちゃん・・」「春くんとなら・・してもいい・・私の初めてをあげてもいい」
利奈さんは僕に覆い被さってきた。
こんなに可愛いのにまだした事がないのか・・。
キスされて・・・。
心がぐらぐら揺れる。
また快楽に溺れちゃうの?それもいいかな?
エッチは気持ちいいし。
・・・・。
ダメ・・。
僕は・・好きな人がいる。
でも・・・したい。
その思考がループする。
もう固くなってしまっている。
どうしよう・・・。
「春くん、固いね・・」
「やっ・・」
利奈さんの手触れた。
触られるのは久しぶり。
感じてしまう。
抵抗しなきゃ・・。
でも利奈さんは僕のためにしてくれるって言ってるのに・・断るの?
それで利奈さんが傷ついたらどうするの?
泣いちゃうよ?
どうするの?
ゴシゴシと擦られる。
気持ち良くて・・。
分かんない・・・。
「はぁ、はぁ、はぁ・・きもちぃ・・」
「春くんっ・・」
またキスされて分からなくなる。
このまま気持ち良くなりたい。
一度経験してしまっているから・・・。
快感を知っているから。
美空ちゃんの顔が浮かんだ
こんな所で僕の想いを消したくない。
消したくない・・・。
「だめっ!」
お姉ちゃんを突き飛ばした「春くん、そんなに嫌がらなくても・・」
「お姉ちゃん・・」
利奈さんに抱きついて胸に顔を埋める。
いやらしい事をしたい訳じゃない。
「お姉ちゃんと一緒にいるだけで気持ちいいから・・僕はそれ以上は望まないから・・」
「春くん・・」
「初めては好きな人にあげて・・ごめんね」
利奈さんの胸の鼓動が聞こえる。
だんだんと静まっていく。「分かったよ・・襲ったりして・・ごめんね」
「うん・・」
「巫女さんなのにいやらしい事しちゃった・・」
「大丈夫・・」
「春くんは逃げないの?」
「お姉ちゃんを一人にできない・・」
「優しいね・・」
そのまま二人で寝た。
いやらしい事はせずに。
姉弟として・・・。
翌朝は寒くて起きた。
冷房がつけっぱなし。
「さ、寒い・・」
リモコンで切ってまた布団に戻る。
利奈さんの寝顔・・。
可愛い・・。
エッチしてたら戻れなくなってた。
まだ6時。
もう少し寝坊しよう。
お姉ちゃんをギュッと抱き締めて・・・。
ん・・・固い・・ダメだ。
布団から出てため息。
「もぉ・・なんでこんな時に・・」
おさまるまで待つか。
カチカチに固くなってる。こっそり部屋に戻ろう。
自分の部屋に向かう。
美空ちゃんの部屋の前を通りかかった。
「はっ、はぁ、美月っ」
「美空、すごい・・」
声・・漏れてる。
気持ち良さそうな声。
壁によりかかって聞いていたい。
美空ちゃんな声。
「美月・・んっ・・はぁ」
「はげしぃ・・」
気持ち良さそう。
二人が愛し合ってる。
僕は割り込めない。
友達のまま・・・。
「美空っ、いくっ・・んっ!!」
しばらく二人の喘ぎ声しか聞こえなかった。
胸が苦しくなった。
部屋に戻って寝転がる。
固いのもおさまった。
「朝早いのに・・エッチしてた・・」
ごろんと横になる。
美空ちゃんは優しいし。
天使か妖精みたいな外見。僕には無理なのかな?
やっぱり・・。
朝御飯を食べてから外に出た。
神社には大きな木たくさんある。
蝉が鳴いてそよ風が吹く。涼しい夏。
大きな木に近づいて。
寄りかかる。
癒されるような感じ。
すーっと息を吸って。
吐いてみる。
心が綺麗になっていくような。
迷いが消えてくような感じ・・。
「いよっ、春ちゃん」
「あ、八百屋のおじさん」
スイカを持っている。
デカイな。
「これ、余ったんで食ってくんないかな?お代はいらないや」
「わぁ、いいんですか?」
「いいとも、春ちゃんの顔が見れただけでもお代は取れるよ」
「あは・・あ、ちょっと待ってください」
ポケットの中にたしか・・お金が・・。
あったはず・・。
あった・・100円・・。
「あの・・少ないですけど」「おおっ、ついてるねぇ。お代は貰ったよ」
スイカを渡された。
きっと甘くて美味しい。
「井戸があるだろ?しばらく冷やしとくと美味しいぞ、じゃあな」
「ありがとうございます!」
八百屋さん気前いいなぁ。こんな大きなスイカ・・。井戸・・。
どこだっけ・・。
「春くん、どしたの?」
巫女服を着た利奈さんが箒を持ってやってきた。
その姿はやっぱり可愛い。「スイカ貰ったんだけど・・・井戸ってあるの?」
「あ、うん・・普段用のはこっちだよ」
利奈さんについていく。
石造りの井戸があった。
下ほうに下ろしていく。
しばらくしたら冷えるかな・・。
ぎゅっ・・。
抱きつかれた・・。
「お姉ちゃん・・」
「昨日はごめんね・・」
「いいよ、その変わりにたくさん甘えさせて・・」
「もちろんっ・・」
こうやって抱き締めてくれるだけでも嬉しい。
利奈さんの袖をぎゅっと掴んで。
幸せを噛み締めた。
「スイカに塩かけたいな」
「へぇ、お姉ちゃんはそうするの?」
「昔からそうしてたよ」
「僕もやってみるよ・・」
ずっとこうやって抱き締めてもらいたい。
けどやる事がある。
ずっと浸れる訳じゃない。「掃除しよっ」
「うん、春くん」
箒を持ってさっさと掃く。掃除が好きなのはお母さん似なのかな。
このまま仲のいい姉弟でいられたらいいな。
そう思いながら利奈さんと掃除をした。
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