雪が降る。
窓から景色を眺める。
もうすぐお正月か・・。
お年玉で何を買おうかな。窓ガラスに息を吐いてくもらせる。
絵を書いてすぐに消す。
「はぁ・・」
友達が・・欲しい。
男の子の友達が・・。
「春ちゃん、どうした?」
「うん・・ちょっとね」
「顔が赤いよ?熱?」
お母さんがおでこをくっつける。
ドキドキする。
このドキドキするのはなんでだろう・・。
どうしてお母さんにドキドキするの?
お姉ちゃんにも・・・。
僕の家族なのに・・。
「少し熱っぽいね。寝てなさい」
「あぅ、大丈夫だよ」
「だぁーめっ!ほら、添い寝してあげる」
お母さんの部屋に連れ込まれる。
毛布と布団の中に入る。
暖かい・・・。
お母さんは風邪薬を持って戻ってきた。
「ほら、飲んで・・グイッと一気に!」
「ぅ・・ごくっ」
お母さんは拍手した。
たぶんお酒の相手をする時もこんな感じか。
お母さんが布団の中に入ってきた。
「春ちゃんと一緒だぁ」 「もぉ、お母さん・・」
ギュッと抱きついてきた。お母さんは僕に対しては結構過保護だ。
すぐに心配する。
背中に胸が当たる。
ドキドキする。
柔らかくて大きい。
「春ちゃんなかなか大きくならないね・・」
「牛乳苦手だし、お腹もあんまり減らないから・・・かな?」
体も弱い・・・。
料理を作るのは好きだけど食べるのはそれほど好きじゃない。
僕にとって料理は人を笑わせる物。
ただそれだけ・・・。
「大きくならなきゃダメだぞっ」
「うん・・がんばる」
暖かい。
でもやっぱり風邪だったみたいだな。
ドキドキしてなかなか眠れない。
「春ちゃんどんな彼女作りたいの?」
「ふぇっ!?」
「年上とかいいんじゃないかな、いい子紹介しよっか?」
「い、いい・・よ・・まだいいよ」
「えーっ、つまんないよ。春ちゃんが彼女と手を繋いで歩いてるの想像するだけで胸がキュンキュンしちゃうよ」
「そんなの想像・・しないで」
「くすっ・・・まぁ・・まだいいか・・春ちゃんはお母さんの物ね」
さっきより強く抱きついてきた。
胸が・・・。
お母さんは意識してないの?
僕だって男の子だよ・・。
僕だって想像しちゃう・・・・。
エッチな事・・。
お母さんを押し倒して胸を揉んだ。
「ああっ、春ちゃん!いいよぉ!」
キスして・・。
パンツを下ろして。
僕は何をすればいい?
その先は知らない。
チンチンが固くなるのは知ってる。
これを入れれば・・?
ヌプヌプと先っぽが入っていく・・・。
って何想像してんだよっ!僕はそんな事しない。
絶対にしない。
「春ちゃん体固いよ?」
「な、なんでもない」
「そっか・・・」
今日はお母さんは休みだ。お姉ちゃんは出掛けた。
家の中は静かだ。
時計の針が動く音くらいしか聞こえない。
やっとドキドキが収まってきた。
お母さんは美人すぎるから・・ドキドキするよ。
優しいし・・けど家事は苦手だし・・そこが可愛いし・・。
首にお母さんの吐息がかかる。
少しいやらしい・・そんな感じ。
「春ちゃん眠い?」
「ううん・・ドキドキして眠れないよ」
「ははっ、なんでかな?」
「それは・・お母さんが・・・くっつきすぎだからだよ」
「ふーん・・じゃあこれはどう?」
お母さんが覆い被さってきた。
「お母さ・・っ・・なに?」「ドキドキする?」
「う・・・んっ・・」
「やっぱり男の子だね」
胸の谷間が見える。
黒い胸に付けるやつを付けてる。
ぶ・・ぶらじ・・。
ぶらじる・・?
ブラジャーだ・・。
僕にもう少し勇気があれば女の子と付き合ったりできるかも・・。
「顔赤ーい・・可愛いっ」
「う・・うぅっ」
「春ちゃんはちゃんと固くなってるね」
「・・っつ!」
ドキドキしすぎて気付かなかった。
チンチンが固くなってる。お母さんは布団から出た。「成長したね!お母さんはお粥作ってくるよ」
「あぅ・・うん」
恥ずかしかった・・。
お母さんは部屋から出て行った。
お母さんはお粥ぐらい・・作れるよね?
・・・・・・。
レトルトのお粥だった。
一安心。
冷ましてから口に運ぶ。
「美味しい?」
「うん、おいしい」
「チンチン固いのおさまった?」
お粥を吹き出しそうになる危ない・・。
「だ、だだ、大丈夫・・」
「自分で擦ったりするの?」「擦る・・?」
「知らないのか・・純粋だなぁ・・」
またギュッと抱きつかれる知ってる・・・。
けど言えなかった。
お母さんの緩くパーマのかかった黒髪。
ピアスもしている。
本当に綺麗・・。
「まぁそのうち分かるかな・・彼女ができれば嫌でも分かるから」
「う、うん・・」
しばらくお母さんの部屋で寝た。
夜中に目が覚めた。
隣でお母さんが寝ている。シャツがはだけてる・・ブラジャーが見える・・。
「風邪引くよ・・」
シャツのボタンを止めてあげる。
胸に触れる。
ドキドキする・・。
触ってもいいかな・・。
少し・・。
震える指先で少し触る。
柔らかい・・。
も、もうだめっ!
布団を被せて台所に行く。喉が乾いた・・。
お茶をコップに注ぐ。
「ふぅ・・自分の部屋で寝よう・・」
お茶を一口飲んでホッとする。
後ろから足音。
振り返った。
ドスッ。
お腹にパンチされる。
「・・痛いっ!」
「しね・・」
「お姉ちゃん・・やめて」
次は顔。
壁に押し付けられる。
「なんで・・あんたなんかを・・・」
「ぐふっ!」
痛い・・・。
最後に蹴られて攻撃は止まった。
シャツを掴まれて引きずられる。
ベランダに出される。
ここは12階。
落ちたら死んでしまう。
「やだっ、だめ!」
ガラス扉を閉められる。
鍵がかけられた。
「しねばいい・・・」
そう言ってお姉ちゃんは電気を消して部屋に戻って行った。
寒い風が僕を冷やす。
心まで冷たくする。
お姉ちゃんの一言で・・。心が凍った。
固まって震える。
このまま死んでもいいかなって・・。
思ってしまう。
きっとお母さんと一緒に寝たのが悪かったんだ。
お姉ちゃんはお母さんに甘えたいんだ・・。
だから僕が邪魔なんだ。
ブルブルと震える。
寒い・・寒い・・。
窓を叩いて叫ぶ余裕もない・・。
立ち上がってベランダから下を見下ろす。
・・・しねばいい。
・・・しねばいい。
・・・しんだら・・だめ。
「死んだらだめっ!」
ガラス扉が開いてた。
お姉ちゃんが立っていた。「来いっ・・」
手を掴まれて中に入る。
お姉ちゃんがガラス扉を閉めた。
「ふぅー・・」
寒くて変な呼吸しかできない。
ブルブル震える。
肌が真っ白・・。
「ごめんっ・・」
抱き締められた。
こんな事・・初めて。
「ごめん・・やりすぎた」
「うぅ・・はぁ・・はぁ」
喋れない。
声も出ない・・。
「ごめん・・」
そうやって抱き締めてくれた。
僕は気が遠くなった。
翌朝目が覚めるとベットで寝ていた。
お母さんが心配そうに僕を見ている。
「安静にしなきゃ・・」
「うん・・」
「昨日ベランダに出たんだって?凛が止めなきゃ危なかったよ」
「・・・へ?」
「とりあえず寝ててね。お母さん仕事行くから・・」お母さんは手を振って微笑んで仕事に行った。
お姉ちゃんが止めた?
違う・・お姉ちゃんが閉じ込めたんだ。
僕のせいにされた・・。
部屋のドアが開いた。
「凛姉ちゃん・・」
僕の顔をじっと見た。
「昨日の事は忘れて・・」
「嘘ついたの?なんで?」
「お母さんに怒られたくないから・・黙ってないと殴るからね」
お姉ちゃんは・・・。
なんなんだよ・・・。
僕がそんなに嫌いなの?
お姉ちゃんが部屋を出ていってから・・・。
泣いてしまった。
凄く悲しかった。
一番笑わせたい人が。
僕を凄く嫌っている・・。
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