メールが来た・・・。
美空ちゃんからだ。
今日は雪の家に泊まりますっ!( '∇^*)^☆
へぇ・・。
お泊まりかぁ。
いいなぁ・・・。
携帯を枕元に置いてため息・・。
僕はそろそろ自分で歩かないとな・・。
美空ちゃんに支えられてばかり。
目をつむって寝転がる。
はぁ・・・。
寝よう・・・。
翌朝・・・。
美月くんと美空ちゃんはまだ帰ってきてない。
どうしたんだろ・・。
まぁ・・いいや。
朝御飯を作った。
利奈さんと朝御飯を食べる・・・。
「春くん、少し大きくなったね」
「あ、そう?嬉しいな」
たくさん食べるようになったから・・。
体つきも変わってきた。
「だんだんと男らしくなってきたじゃん!」
「うんっ・・!」
素直に嬉しい・・。
朝御飯を食べてから学校に向かう。
今日は一人だけだ。
あ・・山田さん・・。
鈴美・・ちゃん?
「おはよ・・えっと」
「あぁ、おはよ・・鈴美だよ」
「あ、ごめん・・」
山田さん・・鈴美さんは微笑んだ。
「もう鈴美でいいよ」
「あ、うん・・」
二人で並んで歩く。
妹・・鈴風さんは何してるんだろ?
「妹・・・明日帰るんだ」
「えっ?」
「だめ・・だった・・ここに来ても治らなかった」
「えと・・何か病気なの?」鈴美さんは悲しそうな顔をした。
うつ向いてしまった。
「夜一人で歩き回るの・・いつの間にかいなくなってる・・・」
「夢遊病ってやつ?」
「うん・・・」
大変なんだな・・。
何か力になってあげたいな・・・。
「ここにくれば・・私もいるし静かな街だから・・治るかもって思ったけど・・ダメだった」
「そっか・・・」
「また・・離れちゃう・・のか」
とてもとても悲しそう。
近くにいてやりたいはず・・・。
双子なら・・。
学校についた。
教室に入っても美空ちゃんと美月くんがいない。
今日はお休みかな・・。
席に座る。
山田さんはやっぱり落ち込んでいる。
なんとかしてあげたい。
チャイムが鳴る。
ガラッ。
「セーフ・・・」
美空ちゃんと美月くんが入ってきた。
よかった・・。
休みじゃなかったんだ。
二人が席についた。
「春、おはよ」
二人同時にあいさつした。可愛いな・・。
「うん、おはよ」
美空ちゃんと美月くんなら何か・・。
いや・・僕の力で・・。
鈴美さんの力になってあげたい。
僕がそばにいてあげれば・・・いいかな。
鈴美さんが寂しくないように・・。
放課後。
今日は鈴美さんと帰る事にした。
「めずらしいね・・榊くんが私なんかと」
「僕・・鈴美さんの力になりたいなって」
「えっ!?」
「友達・・だから」
「あは・・ありがと」
嬉しそうな・・悲しそうな顔。
鈴美さんの家・・大きいな・・。
それより・・・。
パトカーが止まっている。
鈴美さんが走り出した。
僕は家の前で待つしかできなかった・・。
どうしたんだろ・・・。
しばらくして鈴美さんが戻ってきた。
泣いてる・・・。
「鈴風・・・どっかに行っちゃった」
「えっ・・?」
「夕方までここに・・いた・・・いなくなった・・どうして・・」
泣き崩れてしまった。
僕は・・・。
抱き締める・・それしかできなかった。
ドキドキはしない。
美空ちゃんとは違う。
なんか・・違う。
「探そう・・僕も手伝うよ」「榊くん・・・」
「双子のお姉ちゃんなら・・場所が分かるかも」
「うん・・うんっ!」
ハンカチで涙を拭いてあげた。
美空ちゃんと美月くんにも連絡した方がいいかな?
いや・・いい・・。
頼らない・・・。
僕は大丈夫・・。
「行こっ!」
「うん・・」
鈴美さんを立ち上がらせて・・。
二人で走り出した。
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