神社の中を散歩しながら考える。
山田さん・・姉妹兄弟はいないって言ってたよな。
何か理由があるのかな?
気になる・・・。
美月くんは気にしちゃダメって言ってたけど。
夜空を見上げる。
綺麗な星がきらきら光る。
聞いちゃダメかな。
何か悩みがあるなら力になれないかな。
携帯がなる。
山田さんからだ・・。
妙なタイミング・・。
「もしもし?山田さん?」
「あ、夜に悪いね・・あの・・喫茶店から見てたでしょ?」
バレてたか・・・。
「う、うん・・ごめん」
「あは・・妹なんだ・・双子の」
やっぱり・・・。
「えと・・秘密にしとけば・・」
「あ、別に大丈夫・・・まぁ訳はあるけど・・ずっと離ればなれだったんだ」
「そうなんだ・・・」
「今日、やっと久しぶりに会えたんだ・・」
「よかったね・・本当に」
「うん・・ありがと。じゃあまた明日ね」
「うんっ」
携帯をポケットにしまう。離ればなれの双子か。
なんか可哀想だな。
「春くん・・どした?」
「お姉ちゃん・・」
利奈さんはパジャマ姿。
可愛いな・・。
「風邪引くよ、おいで」
「お姉ちゃんも散歩しようよ」
「あは・・いいよ」
利奈さんとは父親違いの姉弟。
お母さんは一緒。
お母さんはどこにいるのかな・・・。
「お姉ちゃん・・お母さんはどこにいるの?」
「聞きたいの?」
利奈さんが星空を見上げて言った。
月明かりに照らされて綺麗・・。
血が繋がってなかったら・・・きっと・・好きになってた。
「お母さんはね・・音信不通なの・・どこにいるのか分からない」
「そうなんだ・・・」
少し残念。
会ってみたい気もする。
どんな母親であろうと。
「春くん・・きっと悲しむから会わない方がいい」
「そっか・・・」
「さ、寝よう・・寝坊しちゃうよ」
「うん・・」
家に入った。
歯を研こう・・・。
洗面所で歯磨きをする。
美空ちゃん寝ちゃったかな・・もう少し起きていたい・・。
うがいをして鏡を見た。
綺麗な顔・・。
もっと・・自信持っていいかな?
居間に向かう。
やっぱりまだ眠くないや。
居間に入ると美空ちゃんがいた。
「春、寝れないの?」
「うん・・」
美空ちゃんの隣に座る。
縁側から綺麗な月が見える「お母さんって・・いいよね」
「春・・」
「会いたいな・・甘えてみたいな・・」
ぎゅっと抱き締められた。僕も少しドキドキになれないと・・。
「私に甘えればいい・・」
「美空ちゃん・・・」
「きっと辛い思いするよ・・・・」
「それでも会いたいな」
「春・・・」
美空ちゃんを見つめる。
今度は僕から・・・。
「美空ちゃん・・キス・・していい?」
「うん・・いいよ」
ドキドキ・・。
顔を近づける。
唇が触れて・・。
柔らかい・・・。
すぐに離れた。
「春からキスした・・初めてだね」
「あ・・うん」
ドキドキして顔を見れない・・・。
「あ、山田さん、双子の妹 がいたらしいよ」
「そっか・・・」
「離ればなれだったみたい」「ふーん・・私も美月と離ればなれになった事あるよ・・」
「ほんとに?」
「うん・・」
辛かっただろうな・・。
あんなに仲がいいのに。
「結局私から戻って来ちゃったけどね」
とっても嬉しそう。
「美空ちゃん・・美月くんと僕・・どっちが好き?」何を言ってる・・。
僕は・・・。
「春・・・ごめん比べるなんて無理だよ」
「う、うん・・ごめん」
僕はガラスの向こうの女の子に恋してる。
多分これ以上は触れない。触れられない・・・。
そんな気がする・・。
今日は利奈さんの部屋で寝よう。
「お姉ちゃん・・入っていい?」
「いいよ・・」
利奈さんはもう寝ていた。一緒に布団に入る。
抱きついてみる。
「お姉ちゃん・・・」
「甘えたいの?」
「うん・・甘えたいよ」
「いいよ・・」
利奈さんも抱き締めてくれた。
暖かい。
ゆっくりと眠りについた。
※元投稿はこちら >>