家に帰ると靴が一人分増えてた。
誰かな・・・。
居間に向かう。
「あっ、春くんっ」
「綾さん!?」
スッゴい美人・・日本人だよな?
黒髪で猫みたいな雰囲気。可愛いなぁ・・。
「しばらくよろしくね」
「あ、はい・・泊まるんですか?」
「うにゃ、まぁね」
何かお菓子出さなきゃ。
台所の棚になんかあったかな・・・。
棚を調べる。
この前買った駄菓子と・・・・。
背中に柔らかい感触。
何?
「おっ、お菓子っ!」
綾さんが僕の背中にくっついている。
胸・・当たってる。
「おかまいなく・・食べたいけど」
「あ、ど、どうぞ!」
「あはっ、悪いね」
綾さんは僕から離れて居間に戻った。
ドキドキした・・。
お茶を入れていると利奈さんも帰ってきた。
今日は学校休みのはずだけどどこ行ってたのかな。
「綾さんがきたぁー」
「きたよーっ!」
じゃれてる。
二人とも可愛い。
お茶を持っていく。
「ありがとぅ」
綾さんのお茶の飲み方上品だな。
「ねぇねぇ、春くんは子猫みたいだね」
「僕が・・ですか?」
綾さんがニヤニヤしてる。僕・・子猫みたい?
「目がクリクリしてて・・きゃわいいよ」
「あ、は・・ありがとうございます・・でも美月くんの方が可愛いと思いますよ・・」
「あはは、美月はねぇ・・・最高だよっ!」
素直に美月くんは綺麗だし可愛い。
人間離れしてるような。
まさに天使みたい。
美空ちゃんと全く同じ顔だけど違って見える時もあるような。
夕飯を作ろう。
肉じゃが。
最初はビーフシチューの食材を使って作ったらしい。なんて人だっけ・・?
忘れた・・・。
その人が日本の料理人に同じ食材で作らせたらこうなったらしい。
ジャガイモと牛肉と糸蒟蒻と玉ねぎとえんどう豆。
僕はいつもこの具材を使ってる。
甘めに煮付ける。
いい香り・・・。
「春、今日は肉じゃが?」
美空ちゃんが後ろから覗いてきた。
「あ、うん・・お腹の調子は大丈夫?お粥作る?」
「治ったし大丈夫・・早く食べたいな・・」
目がキラキラしてる。
可愛い・・・。
おいしく作ろう・・。
テーブルにご飯とおかずをならべる。
肉じゃがはアツアツだと良くない。
ほどよく冷めてたほうが美味しい。
肉じゃがとお味噌と葱の味噌焼き。
山椒味噌を使った。
美味しいかな?
「いただきますっ」
にぎやかになったテーブル
ご飯は多めに炊いた。
みんなで喋りながら食べるご飯・・美味しいな。
夕飯のあとに少し散歩をした。
もう夕暮れ。
カラスが鳴いている。
遠くに飛んで行った。
「すーっ・・はぁーっ」
息を吸って吐いた。
深呼吸をして歩く。
秋になって過ごしやすくなった。
新しいスニーカーを買った。
僕は少しづつお洒落になっていく。
美空ちゃんのおかげかな。
街の方に行ってみる。
商店街はにぎやかだ。
いいにおいに誘われる。
最近食欲も増えてきた。
身長伸びるかな?
相変わらず体は細いまま。
美味しそうな団子を見つけた。
「へぇ・・」
海苔を巻いた団子か。
揚げてある団子もある。
一つ買おうかな。
いや・・みんなの分も。
団子をたくさん買った。
みんな喜ぶかな?
パタパタと歩く。
こうやって楽しくいれるのは夢じゃないよね。
頬っぺたをつねる。
「いたい・・」
大丈夫・・夢じゃない。
ずっと続くわけないけど・・・。
長く続けばいいな・・。
※元投稿はこちら >>