学校の授業はもう知ってる事なので・・。
授業中は考え事をしながらノートを書いている。
黒板の事はちゃんと書いとかないとな。
美空と春が喋ってる。
僕の微妙な気持ちは変わらない。
休み時間になり美空に抱きつく。
「ちょっ!」
「美空っ、お腹すいた!」
「もうすぐ昼休みだよ?我慢しなよ」
「うーん・・むりぃ・・」
「もぉ・・美月・・」
僕の気持ち分かってるんでしょ?
美空・・。
春は僕たちの様子を微笑んで見ている。
すっかり余裕だな・・。
美空から離れて廊下に向かう。
「美月・・?」
「売店行ってくる」
本当にお腹すいた・・。
何か食べて落ち着こう。
廊下を歩くと女の子の目線を感じる。
僕はモテモテだけど浮気者にはならないからなっ!
お昼休み前だし結構混んでるな。
パンを買おう・・。
人混みに入っていく。
うーん・・・あんぱん・・欲しいのに・・つかめない・・。
パシッ。
やっと取った。
お金を払って売店を出た。
「はふ・・あんぱん・・」
ゴマ付きのあんぱんだ。
僕は甘党だからたまらない・・。
教室に戻って食べよう。
廊下を歩く。
人気がないな・・。
この感じは・・・。
まぁいいや・・授業サボれるし。
バッと女子に囲まれた。
カッターを持っている。
「付いてきてもらうよ」
6人か・・。
つまんないの。
「いいよ・・」
「無駄な抵抗はしないでね美月くんを傷つけたくない・・」
「はいはい・・」
上級生の女の子たちだ。
体育館の裏の倉庫に来た。ここは誰も来ない。
「入って・・」
黙って従う。
壁に寄りかかってあんぱんの袋を開けた。
できたて・・・。
ついてる・・・。
女の子たちが鍵を閉めた。
「美月くん、ごめんね・・怖い事して」
「別にいいですよ、用件はなんですか?」
「私たちとエッチして欲しいの」
やっぱり・・・。
あんぱんを一口食べる。
しつこくない甘さ・・。
売店のあんぱんは最高に美味しい。
昔もよく買ったな。
「どうして?」
それとなく質問した。
「私たちは美月くんが好きだから・・」
「好き・・・?こんなやり方で好きって言われてもなぁ・・」
「・・・お願い大人しくエッチしよ・・楽しもう」
僕はエッチは好きだけど美空と綾だけしか興奮しないから・・。
雪とは一度だけしたけど・・・。
「無理やりする訳か・・」
逃げる手段はある。
こんだけ広い倉庫だし・・・・。
女の子が寄ってきた。
さてさて・・・。
どう逃げようかな・・。
ガンガン。
ドアが叩かれてる。
「美月くん、大丈夫?」
春・・・?
女の子たちが焦っている。
「穏便に済ませよう・・・ちょっと相談された事にしときます」
女子の間をすり抜けて鍵を開けた。
春が心配そうな顔で。
泣いて・・いた。
「美月くん・・・」
「え、えと・・・どしたの春?」
「何かされなかった?」
「うん、大丈夫・・・」
春はフラフラと床へたりこんだ。
「よかった・・・」
凄く心配してる・・。
春の視線は感じたけど・・・・。
「教室に戻ろう・・大丈夫だから」
春を起こした。
女の子たちはもういなかった。
教室に戻ると美空が春を見て僕を少し睨んだ。
「美月っ!春を心配させちゃダメっ」
「わかってるよ・・」
席についてため息。
僕の心配は無しかよ・・。
授業中に隠れてあんぱんを食べる。
ちぎって口に放り込む。
つまんない・・・。
何か面白い事ないかな。
特に何もなくて・・・。
退屈だ・・。
お昼休みに仮病を使って早退した。
美空は怒ったけど。
もういいや・・・。
学校・・面白くない。
美空と春が話してるの見るとつらいんだもん・・。
一人で帰る。
美空は心配・・。
けど学校は嫌だ。
「はぁ・・・」
「みっつきっ!」
いきなり抱きつかれてびっくりした。
「えっ!?綾?」
「待ちきれなくなった・・来ちゃった」
「学校は?」
「クロスに任せたよ」
綾はラフな格好だ。
ミニスカートにブランド物のワイシャツ。
銀髪はまた黒に染めたらしい。
「会いたかったよぉー」
「綾・・っ」
利奈は綾が母親って事も知っていた。
綾が不老不死って事も。
受け入れてくれただけでありがたい。
けど他の人はしらないはず・・。
「美空は?」
「学校だよ」
綾が首を傾げた。
やっぱり綾も可愛い。
仕草も美空と似ている。
「早退したの?」
「うん・・」
「わるいやつ!」
頬っぺたをつつかれた。
綾といると安心する。
お母さんだし・・・。
「綾、利奈の家に住むの?」「うん、相談したらいいよって言われた。家賃も多めに渡すよ」
「ふーん・・綾と一緒か」
「嬉しい?
綾が微笑んだ。
嬉しいに決まってる。
大好きだから・・・。
僕のお母さん・・・。
「ねっ?ラブホ行こ!」
「綾・・いきなりすぎ」
「行こ・・美月の事ずっと我慢してたんだよ?」
「そもそもこの街にラブホなんて無いよ」
「むぅ・・そうだった」
お母さんだけど・・・。
エッチしてる・・・。
僕はいけない事ばっかりしてる。
とりあえず神社に帰った。将さんがいたので少しおしゃべりをした。
自分の部屋に戻って寝転がる。
「はふ・・」
美空・・・。
美空はどうなの?
僕は選べてない・・けどやっぱり美空が好きだよ。
好きだよ・・。
一緒に修羅場を潜って。
一緒に遊んで。
一緒にいたずらして。
一緒に怒られて。
ずっと一緒だったよね。
僕は美空無しじゃ生きていけないよ・・・。
美空・・・大好きだよ。
まぶたを閉じた。
眠たくなった。
部屋に誰か入ってきた。
綾かな?
我慢できないのかな・・。僕のそばに寝転がった。
薄目を開けた。
「美空・・・」
「双子だから・・私もお腹痛くなっちゃった」
「春は?」
「美月くんのそばにいてあげて・・だってさ」
春はさっきの事でお腹が痛くなったと・・心配してくれてたんだな。
「綾に会った?」
「うん・・」
美空が抱きついてきた。
「美月・・苦しい?」
「ううん・・」
「そっか・・私・・美月の呟き聞いちゃったよ」
「へぇ・・」
僕も美空を抱き締めた。
学校は退屈だけど。
やっぱり美空のそばにいたいなって思った。
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